![]() 遺伝的にコードされる非天然アミノ酸による免疫寛容解除
专利摘要:
本発明は疾患関連部分等の標的部分に1個以上の非天然アミノ酸を組込んだ抗原型の標的部分の投与及び/又は標的部分に1個以上の非天然アミノ酸を組込んだものに対する抗体であって、天然標的部分に対して交差反応性の抗体の投与により、標的部分に対する免疫応答を対象で誘発及び/又は強化するための方法と組成物を含む。 公开号:JP2011514322A 申请号:JP2010545892 申请日:2009-02-07 公开日:2011-05-06 发明作者:ヴォーン・ヴイ.・スマイダー;ピーター・ジー.・シュルツ;メン−リン・ツァオ;ヤン・グルーネヴァルト;リチャード・エー.・ラーナー;ロシャン・ペレラ 申请人:ザ スクリプス リサーチ インスティチュート; IPC主号:C07K16-00
专利说明:
[0001] (連邦政府支援研究開発から創出された発明の権利に関する陳述) 本発明は米国国立衛生研究所(NIH)からの助成番号HL−16411(5RO1GM62159)として米国政府助成下に創出された。米国政府は本発明に所定の権利をもつ。] [0002] (関連出願とのクロスリファレンス) 本願は米国仮特許出願第61/065,148号(出願日2008年2月8日);61/065,515号(出願日2008年2月12日);61/135,947号(出願日2008年7月25日);61/137,676号(出願日2008年7月31日);61/203,948号(出願日2008年12月29日);61/065,147号(出願日2008年2月8日);61/065,590号(出願日2008年2月12日);61/135,969号(出願日2008年7月25日);61/137,635号(出願日2008年7月31日);及び61/203,947号(出願日2008年12月29日)の優先権と特典を主張し、その開示内容全体を全目的で本明細書に援用する。] [0003] (発明の技術分野) 本発明は免疫学の分野に関する。より具体的には、本発明は1個以上の非天然アミノ酸を組込んだ標的部分(即ち自己部分又は外来部分)に対応する免疫原を投与することにより、自己抗原(例えばTNFα又は無数の他の自己抗原のいずれか)に対する免疫応答を対象に誘発するため、又は外来(非自己)抗原に対する免疫応答を対象に誘発もしくは強化するための組成物と方法を提供する。] 背景技術 [0004] 現代医療の大きな課題の1つは(例えば自己抗原に対する対象の免疫寛容により)対象による抗体産生を誘起しない病態又は強力/強靭な抗体応答を誘起しない病態(例えば所定の細菌/ウイルス感染症)の治療に関する。このような分類に該当する多数の病態が存在する。例えば、対象自身の自己蛋白質に起因又は関連する病態は(クローン病、内毒素ショック、脳マラリア等に関与/関係する)TNFα、(SLEに関与する)IL10等の部分に関連する場合がある。更に、対象がHIV、CMV、結核、及びブドウ球菌等の各種ウイルス及び細菌感染症に対して強靭な抗体応答を誘発することは困難であると思われる。] [0005] このような免疫応答の問題に対処するために多数の異なるアプローチが提案されている。例えば、所定のアプローチはアジュバント/キャリヤーの改善、抗原への強力なT細胞エピトープの導入、コンジュゲートワクチン、コンビネーションワクチンを検討している。例えば、Baldridge,et al.,Vaccine Adjuvants:Immunological and Clinical Principles.C.J.Hackett,Ham,D.A.Jr.,Eds.(Humana Press,Totowa,NJ,2006),pp.235−255;Makela,et al.,Expert Rev Vaccines,1(3):399−410(2002);Dalum,et al.,Nat Biotechnol.17:666(1999);及びRestifo,Curr Opin Immunol 8:658(1996)参照。他のアプローチは非特異的標識抗原(即ちジアゾニウム誘導体化抗原)による免疫を試みている。Weigle,J Exp Med 121:289(1965)参照。] [0006] しかし、特定自己蛋白質(例えばTNFα)、及び/又は各種病原体(例えば細菌、ウイルス、真菌、及び/又はプリオン病原体)に由来する特定蛋白質に対する対象の免疫応答を誘発又は強化するための方法と組成物として、より良好でより広範に適用可能な方法と組成物が引き続き必要とされている。本発明は通読後に明らかな通り、これら及び他の利点を提供する。] 発明が解決しようとする課題 [0007] 自己蛋白質に対する強い免疫応答を選択的に誘導できること、又は外来抗原の特定エピトープの免疫原性を強化できることは癌、蛋白質フォールディング病、及び感染症(例えば細菌又はウイルス感染症)を含む多数の疾患状態用のワクチンの製造に有意義である。本発明はワクチン接種に使用する非天然免疫原を作製するため又は受動免疫で使用する抗体を作製するために蛋白質への非天然アミノ酸の組込みを利用する。本発明において、非天然アミノ酸を付加する免疫原はワクチン接種/免疫する対象の体内に存在する標的部分(例えば疾患関連部分)又は対象の体内に存在することが可能な標的部分(例えば疾患関連部分)に対応する。非天然アミノ酸を組込んだ免疫原を対象に投与する態様において、非天然アミノ酸の存在は標的(例えば疾患関連)部分に対して交差反応性の免疫応答を免疫原に対して誘起する。] 課題を解決するための手段 [0008] 第1の側面において、本発明は対象の体内に存在するか又は対象の体内に存在することが可能な標的部分(例えばポリペプチド、糖質、又は両者の組合せ)に対する免疫応答(例えばB細胞介在性応答及び/又はT細胞介在性応答)を対象に誘発又は強化する方法を提供する。前記方法は1個以上の非天然アミノ酸を含む非天然免疫原を準備する段階と、非天然免疫原を対象に投与する段階を含む。対象(例えばヒト、サル、マウス、ラット、ブタ、ウシ、ニワトリ、小型鳥類、大型鳥類、爬虫類及び/又は両生類)は非天然免疫原に対する1種以上の抗体を産生し、前記抗体は標的部分に対して交差反応性である(従って標的に対する免疫応答を誘発又は強化する)。] [0009] 免疫応答を誘発又は強化するために対象に投与する非天然免疫原は対象の体内に存在する少なくとも1個の標的部分(又は対象の体内に存在することが可能な少なくとも1個の部分)に対応する。所定態様において、標的部分は第1のアミノ酸配列を含むことができ、非天然免疫原は、標的部分の配列の1個以上の天然アミノ酸が免疫原の配列では1個以上の非天然アミノ酸で置換されているという点を除き、標的の配列と同一の第2のアミノ酸配列を含むことができる。代替的又は付加的に、標的部分は第1のアミノ酸配列を含むことができ、非天然免疫原は、免疫原の配列が更に1個以上の付加的な非天然アミノ酸を含むという点を除き、標的部分の配列と同一の第2のアミノ酸配列を含むことができる。各種態様において、非天然免疫原はこの免疫原が由来する標的部分と実質的に同様の構造を含むことができ、及び/又はこの免疫原が由来する標的部分と実質的に同様の三次及び/又は四次構造を含むことができる。] [0010] 非天然免疫原に存在する1個以上の非天然アミノ酸は場合により抗体に接触可能とすることができる。この側面の方法で産生された1種以上の交差反応性抗体は場合により非天然免疫原上の対応するエピトープと同一の配列を含む標的部分上のエピトープに特異的でもよい。他方、交差反応性抗体は場合により非天然免疫原上の対応するエピトープと異なる配列(例えば場合により1個以上の非天然アミノ酸を含む別の配列)を含む標的部分上のエピトープに特異的でもよい。] [0011] この側面では、標的部分に由来する非天然免疫原を種々の方法で作製することができる。好ましい態様では、直交翻訳系で非天然免疫原を作製する。他方、場合により(例えば選択圧組込み法による)in vivo翻訳系;(例えば非天然アミノ酸で化学的にアシル化されたtRNAを使用する)in vitro翻訳系;翻訳後修飾以外の方法;又は免疫原に存在する20種類の天然に存在する標準アミノ酸の1種の化学修飾以外の方法で非天然免疫原を作製することもできる。] [0012] 非天然免疫原に組込むことができる非天然アミノ酸は場合により20種類の天然に存在する標準アミノ酸の1種以外の任意非天然アミノ酸を含むことができる。組込むことができる非天然アミノ酸は更に20種類の標準アミノ酸の1種以外の任意非天然アミノ酸を含むことができ、非天然アミノ酸は下式: の構造を含み、式中、Rは20種類の標準天然アミノ酸のいずれかで使用される側鎖以外の任意置換基であり;R1は20種類の標準天然アミノ酸の1種で使用される任意置換基であり;R2はR2−R1が一緒になって20種類の標準天然アミノ酸のいずれかの側鎖以外のものとなるような任意置換基であり;ZはOH、NH2、SH、NH−R’又はS−R’であり;R’はH以外の任意置換基であり;X及びYは各々S又はOであり、R’がHの場合にはRはL配置をとる。所定態様において、免疫原に組込むことができる1個以上の非天然アミノ酸は場合により、p−ニトロフェニルアラニン、o−ニトロフェニルアラニン、m−ニトロフェニルアラニン、p−ボロニルPhe、o−ボロニルPhe、m−ボロニルPhe、p−アミノPhe、o−アミノPhe、m−アミノPhe、p−アシルPhe、o−アシルPhe、m−アシルPhe、p−OMePhe、o−OMePhe、m−OMePhe、p−スルホPhe、o−スルホPhe、m−スルホPhe、5−ニトロHis、3−ニトロTyr、2−ニトロTyr、ニトロ置換Leu、ニトロ置換His、ニトロ置換Ile、ニトロ置換Trp、2−ニトロTrp、4−ニトロTrp、5−ニトロTrp、6−ニトロTrp、7−ニトロTrp、3−アミノチロシン、2−アミノチロシン、O−スルホチロシン、2−スルホオキシフェニルアラニン、3−スルホオキシオキシフェニルアラニン又はp−カルボキシフェニルアラニン、o−カルボキシフェニルアラニン、及びm−カルボキシフェニルアラニンの1種以上を含むことができる。] [0013] 所定態様において、免疫応答を誘発又は強化させる標的部分は非自己部分(例えば細菌、ウイルス、真菌、マイコプラズマ、原生動物、蠕虫、又はプリオンに由来する部分)とすることができる。非自己標的部分は場合により細菌抗原、ウイルス抗原、真菌抗原、マイコプラズマ抗原、原生動物抗原、蠕虫抗原、プリオン抗原、HIV抗原、HIVgp120、HIVgp41、HIVgag、HIVpol、HIVenv、HIVtat、HIVnef、HIVrev、カリシウイルスカブシド抗原、B型肝炎コア抗原、B型肝炎表面抗原、デルタ肝炎原因物質、単純ヘルペスウイルス糖蛋白質、水痘帯状疱疹ウイルス糖蛋白質、インフルエンザウイルスヘマグルチニン、インフルエンザウイルスノイラミニダーゼ、インフルエンザウイルス核蛋白質、HPVカブシド蛋白質、バラインフルエンザウイルスヘマグルチニン/ノイラミニダーゼ、ポリオウイルスカブシドポリペプチド、HepA抗原、ワクシニアウイルスポリペプチド、狂犬病ウイルス糖蛋白質G、B.burgdorferi OspA、b型インフルエンザ桿菌外膜蛋白質、Mycobacterium lipoarabinomannan、マイコバクテリウムmAPG、化膿連鎖球菌M蛋白質、肺炎連鎖球菌莢膜多糖体、ペスト菌F1、ペスト菌V抗原、熱帯熱マラリア原虫スポロゾイト周囲蛋白質(PfCSP)、熱帯熱マラリア原虫スポロゾイト表面蛋白質2(PfSSP2)、肝細胞期抗原1の熱帯熱マラリア原虫カルボキシル末端(PfLSA1c−term)、熱帯熱マラリア原虫輸送蛋白質1(PfExp−1)、Pfs48/45、Pfs28、Pfs25、又はPfs230の1種以上を含むことができる。] [0014] 標的非自己部分は場合により細菌、ウイルス、真菌、マイコプラズマ、原生動物、蠕虫、プリオン、アクチノミセス属(Actinomyces)、バシラス属(Bacillus)、バクテロイデス属(Bacteroides)、ボルデテラ属(Bordetella)、バルトネラ属(Bartonella)、ボレリア属(Borrelia)、ブルセラ属(Brucella)、カンピロバクター属(Campylobacter)、キャプノサイトファーガ属(Capnocytophaga)、クラミジア属(Chlamydia)、クロストリジウム属(Clostridium)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、コクシエラ属(Coxiella)、デルマトフィルス属(Dermatophilus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、エーリキア属(Ehrlichia)、エシェリキア属(Escherichia)、フランシセラ属(Francisella)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、ヘモバルトネラ属(Haemobartonella)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、ヘリコバクター属(Helicobacter)、クレブシエラ属(Klebsiella)、L型菌、レプトスピラ属(Leptospira)、リステリア属(Listeria)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)、マイコプラズマ属(Mycoplasma)、ナイセリア属(Neisseria)、ネオリケッチア属(Neorickettsia)、ノカルジア属(Nocardia)、パスツレラ属(Pasteurella)、ペプトコッカス属(Peptococcus)、ペプトストレプトコッカス属(Peptostreptococcus)、肺炎球菌(Pneumococcus)、プロテウス属(Proteus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、リケッチア属(Rickettsia)、ロシャリメア属(Rochalimaea)、サルモネラ属(Salmonella)、シゲラ属(Shigella)、ブドウ球菌属(Staphylococcus)、連鎖球菌属(Streptococcus)、トレポネーマ属(Treponema)、エルシニア属(Yersinia)、アデノウイルス、アルファウイルス、カリシウイルス、コロナウイルス、CMV、ジステンパーウイルス、エボラウイルス、エンテロウイルス、EBV、フラビウイルス、C型肝炎ウイルス、ヘパドナウイルス、B型肝炎ウイルス、デルタ肝炎原因物質、E型もしくはF型肝炎ウイルス、GBV−C、ヘルペスウイルス、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、免疫不全ウイルス、HIV、伝染性腹膜炎ウイルス、インフルエンザウイルス、A型インフルエンザウイルス、白血病ウイルスマールブルグウイルス、オルトミクソウイルス、パピローマウイルス、HPV、パラインフルエンザウイルス、パラミクソウイルス、RSV、パルボウイルス、ペスチウイルス、ピコルナウイルス、ポリオウイルス、ポックスウイルス、ワクシニアウイルス、狂犬病ウイルス、レオウイルス、レトロウイルス、ロタウイルス、アブシジア属(Absidia)、アクレモニウム属(Acremonium)、アルタナリア属(Alternaria)、アスペルギルス属(Aspergillus)、バシジオボラス属(Basidiobolus)、ビポラリス属(Bipolaris)、ブラストミセス属(Blastomyces)、カンジダ属(Candida)、コクシジオイデス属(Coccidioides)、コニディオボラス属(Conidiobolus)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、カーブラリア属(Curvalaria)、エピデルモフィトン属(Epidermophyton)、エクソフィアラ属(Exophiala)、ゲオトリクム属(Geotrichum)、ヒストプラズマ属(Histoplasma)、マズレラ属(Madurella)、マラセチア属(Malassezia)、ミクロスポラム属(Microsporum)、モニリエラ属(Moniliella)、モルチエレラ属(Mortierella)、ムコール属(Mucor)、ペシロミセス属(Paecilomyces)、ペニシリウム属(Penicillium)、フィアレモニウム属(Phialemonium)、フィアロフォラ属(Phialophora)、プロトテカ属(Prototheca)、シュードアレシェリア属(Pseudallescheria)、シュードミクロドキウム属(Pseudomicrodochium)、ピシウム属(Pythium)、リノスポリジウム属(Rhinosporidium)、リゾプス属(Rhizopus)、スコレコバシディウム属(Scolecobasidium)、スポロトリクス属(Sporothrix)、ステムフィリウム属(Stemphylium)、トリコフィトン属(Trichophyton)、トリコスポロン属(Trichosporon)、キシロハイファ属(Xylohypha)、バベシア属(Babesia)、バランチジウム属(Balantidium)、ベスノイチア属(Besnoitia)、クリプトスポリジウム属(Cryptosporidium)、エイメリア属(Eimeria)、エンセファリトゾーン属(Encephalitozoon)、エントアメーバ属(Entamoeba)、ジアルジア属(Giardia)、ハモンディア属(Hammondia)、ヘパトゾーン属(Hepatozoon)、イソスポラ属(Isospora)、リーシュマニア属(Leishmania)、ミクロスポリジア属(Microsporidia)、ネオスポラ属(Neospora)、ノゼマ属(Nosema)、ペンタトリコモナス属(Pentatrichomonas)、プラスモジウム属(Plasmodium)、熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)、ニューモシスチス属(Pneumocystis)、サルコシスチス属(Sarcocystis)、住血吸虫属(Schistosoma)、タイレリア属(Theileria)、トキソプラズマ属(Toxoplasma)、トリパノソーマ属(Trypanosoma)、アカントケイロネマ属(Acanthocheilonema)、アエルロストロンギルス属(Aelurostrongylus)、アンシロストーマ属(Ancylostoma)、アンギオストロンギルス属(Angiostrongylus)、アスカリス属(Ascaris)、ブルギア属(Brugia)、ブノストムーム属(Bunostomum)、キャピラリア属(Capillaria)、チャベルチア属(Chabertia)、クーペリア属(Cooperia)、クレノソーマ属(Crenosoma)、ジクチオカウルス属(Dictyocaulus)、ジオクトフィーマ属(Dioctophyme)、ジペタロネーマ属(Dipetalonema)、裂頭条虫属(Diphyllobothrium)、ジピリジウム属(Diplydium)、ディロフィラリア属(Dirofilaria)、ドラクンクルス属(Dracunculus)、エンテロビウス属(Enterobius)、フィラロイデス属(Filaroides)、ヘモンクス属(Haemonchus)、ラゴキラスカリス属(Lagochilascaris)、ロア糸状虫属ポリペプチド、マンソネラ属(Mansonella)、ムエレリウス属(Muellerius)、ナノフィエツス属(Nanophyetus)、ネカトール属(Necator)、ネマトジルス属(Nematodirus)、エソファゴストム属(Oesophagostomum)、オンコセルカ属(Onchocerca)、オピストルキス属(Opisthorchis)、オステルタギア属(Ostertagia)、パラフィラリア属(Parafilaria)、パラゴニムス属(Paragonimus)、パラスカリス属(Parascaris)、フィサロプテラ属(Physaloptera)、プロトストロンギルス属(Protostrongylus)、エノコログサ属(Setaria)、スピロセルカ属(Spirocerca)、スピロメトラ属(Spirometra)、ステファノフィラリア属(Stephanofilaria)、ストロンギロイデス属(Strongyloides)、ストロンギルス属(Strongylus)、テラジア属(Thelazia)、トキサスカリス属(Toxascaris)、トキソカラ属(Toxocara)、トリキネラ属(Trichinella)、トリコストロンギルス属(Trichostrongylus)、トリチュリス属(Trichuris)、ウンシナリア属(Uncinaria)、又はウケレリア属(Wuchereria)の1種以上に由来(又は起因)することができる。] [0015] 本発明の他の態様において、免疫応答を誘発又は強化する標的部分は場合により対象の自己部分を含むことができる。自己部分は場合により各種疾患関連部分のいずれか(例えば自己免疫疾患に関連する自己抗原、腫瘍関連抗原、アルツハイマー病関連抗原、アミロイドβ40、アミロイドβ42、乳癌関連抗原、卵巣癌関連抗原、前立腺癌関連抗原、MAGE、BAGE、RAGE、NY−ESO、家系特異的腫瘍関連抗原、メラノサイト−メラノーマ家系抗原、MART−1/Melan−A、チロシナーゼもしくはチロシナーゼ関連蛋白質、チロシナーゼ関連蛋白質2、PSMA、PSA、突然変異ras、再構成bcr/ab1、Her2/neu、突然変異もしくは野生型p53、チトクロームP450 1B1、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ−Vの異常発現イントロン配列、CA19−9、p53、OCAA、HOXB7、Ca125、PSA、PSMA、STEAP、PCTA−1、Ca15−3、EGF、EGFR、HER−1、CXCR4、G蛋白質共役型受容体(GCPR)、又はCA27−29)を含むことができる。] [0016] 所定態様において、標的自己部分はTNFαであり、非天然免疫原は非天然TNFαである。例えば、対象がマウスである態様において、標的部分はmTNFαとすることができ、免疫原は非天然mTNFα(例えばpNO2Phe86−mTNFα、pNO2Phe11−mTNFα、pNO2Phe19−mTNFα、pNO2Phe21−mTNFα、pNO2Phe42−mTNFα、pNO2Phe49−mTNFα、pNO2Phe104−mTNFα、又はpNO2Phe113−mTNFαを含む非天然mTNFα)とすることができる。] [0017] 同様に、対象がヒトである態様において、標的自己部分はhTNFαとすることができ、免疫原は非天然hTNFα(例えばpNO2Phe11−hTNFα、pNO2Phe19−hTNFα、pNO2Phe21−hTNFα、pNO2Phe42−hTNFα、pNO2Phe49−hTNFα、pNO2Phe87−hTNFα、pNO2Phe105−hTNFα、及びpNO2Phe114−hTNFα)とすることができる。] [0018] 別の側面において、本発明は例えばB細胞介在性応答及び/又はT細胞介在性応答を対象に誘発することにより、対象の疾患状態を予防的又は治療的に処置する方法を提供する。各種態様において、疾患状態は限定されないが、自己免疫疾患、癌、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、マイコプラズマ感染症、プリオン感染症、原生動物感染症、又は蠕虫感染症の1種以上が挙げられる。この側面の第1組の方法は、1個以上の非天然アミノ酸を組込んだ非天然免疫原を対象(例えばヒト、サル、マウス、ラット、ブタ、ウシ、ニワトリ、小型鳥類、大型鳥類、爬虫類、又は両生類)に投与する段階を含む。こうして非天然免疫原は疾患状態に関連する対象の体内の1個以上の標的部分(例えばポリペプチド及び/又は糖質)又は対象の体内に存在することが可能な1個以上の標的部分に対して交差反応性の抗体の産生を対象の体内で刺激する。この側面の第2組の方法において、本発明は1個以上の標的部分(例えば疾患状態/病態に関連する疾患関連部分)に対する抗体を産生させることにより対象の疾患状態を予防的又は治療的に処置する段階を含む。このような抗体の産生は1個以上の非天然アミノ酸を組込んだ非天然免疫原に対する抗体を産生させる段階を含み、前記抗体は標的部分に対して交差反応性である。その後、抗体を対象に投与する。] [0019] この側面の方法における非天然免疫原は一般に対象の体内の少なくとも1個の標的部分(又は対象の体内に存在することが可能な少なくとも1個の標的部分)に対応する。各種態様において、標的部分は第1のアミノ酸配列を含むことができ、非天然免疫原は、標的の配列の1個以上の天然アミノ酸が免疫原の配列では1個以上の非天然アミノ酸で置換されているという点を除き、標的の配列と同一の第2のアミノ酸配列を含むことができる。代替的又は付加的に、標的部分は第1のアミノ酸配列を含むことができ、非天然免疫原は第2のアミノ酸配列を含むことができ、免疫原の配列は免疫原の配列が更に1個以上の付加的な非天然アミノ酸を含むという点を除き、標的の配列と同一である。非天然免疫原はこの免疫原が由来する標的部分と実質的に同様の構造を含むことができ、及び/又はこの免疫原が由来する標的部分と実質的に同様の三次及び/又は四次構造を含むことができる。] [0020] この側面の方法の非天然免疫原に存在する1個以上の非天然アミノ酸は場合により抗体に接触可能とすることができる。1種以上の交差反応性抗体は場合により非天然免疫原上の対応するエピトープと同一の配列を含む標的部分上のエピトープに特異的でもよい。他方、交差反応性抗体は場合により非天然免疫原上の対応するエピトープと異なる配列(例えば場合により1個以上の非天然アミノ酸を含む別の配列)を含む標的部分上のエピトープに特異的でもよい。] [0021] この側面の各種態様において、対象に投与されるか又は抗体が産生される免疫原は先述の側面又は本明細書の他の箇所に記載する方法のいずれかにより作製することができる。非天然免疫原は場合により任意非天然アミノ酸(例えば先述の側面又は本明細書の他の箇所に記載する非天然アミノ酸のいずれか)を含むことができる。標的部分は場合により(例えば先述の側面又は本明細書の他の箇所に記載する非自己部分のいずれかを含む)非自己部分、又は自己部分(例えば先述の側面又は本明細書の他の箇所に記載するもの等の疾患関連自己部分)を含むことができる。] [0022] この側面の所定態様において、標的部分はTNFαであり、疾患状態を予防的又は治療的に処置する方法は場合により以下の疾患状態、即ち内毒素ショック、脳マラリア、自己免疫疾患、多臓器不全、多発性硬化症、心機能障害、アテローム性動脈硬化症、虚血再潅流傷害、インスリン抵抗性、関節リウマチ、クローン病、炎症性腸疾患、悪液質、敗血症ショック、エイズ、移植片対宿主病、細菌感染防御性肉芽腫、成人呼吸窮迫症候群、及びシリカ肺線維症のいずれか1種以上を処置する段階を含む。] [0023] 対象がマウスである所定態様において、標的部分はmTNFαとすることができ、免疫原は非天然mTNFα(例えばpNO2Phe86−mTNFα、pNO2Phe11−mTNFα、pNO2Phe19−mTNFα、pNO2Phe21−mTNFα、pNO2Phe42−mTNFα、pNO2Phe49−mTNFα、pNO2Phe104−mTNFα、及びpNO2Phe113−mTNFαを含む非天然mTNFα)とすることができる。対象がヒトである所定態様において、自己部分はhTNFαとすることができ、免疫原は非天然hTNFα(例えばpNO2Phe11−hTNFα、pNO2Phe19−hTNFα、pNO2Phe21−hTNFα、pNO2Phe42−hTNFα、pNO2Phe49−hTNFα、pNO2Phe87−hTNFα、pNO2Phe105−hTNFα、及びpNO2Phe114−hTNFα)とすることができる。] [0024] 別の側面において、本発明はワクチンの製造方法(及び前記方法により製造されたワクチン)を提供し、前記方法は非天然アミノ酸を含まない抗体治療標的部分(例えばポリペプチド及び/又は糖質)を同定する段階と、1個以上の非天然アミノ酸を組込んだ非天然免疫原を準備する段階と、非天然免疫原を1種以上の医薬的に許容可能なアジュバント、キャリヤー又は賦形剤と混合し、ワクチンを製造する段階を含む。これらの方法で準備する非天然免疫原は、例えば先述の側面又は本明細書の他の箇所に記載するような対象に投与したときに、対象が標的部分に対して交差反応性の抗体を非天然免疫原に対して産生するように、標的部分と構造的に同様とすることができる。] [0025] この側面の方法における非天然免疫原は対象の体内存在する少なくとも1個の標的部分(又は対象の体内に存在することが可能な少なくとも1個の標的部分)に対応する。各種態様において、標的部分は第1のアミノ酸配列を含むことができ、非天然免疫原は、標的の配列の1個以上の天然アミノ酸が免疫原の配列では1個以上の非天然アミノ酸で置換されているという点を除き、標的の配列と同一の第2のアミノ酸配列を含むことができる。代替的又は付加的に、標的部分は第1のアミノ酸配列を含むことができ、非天然免疫原は第2のアミノ酸配列を含むことができ、免疫原の配列は免疫原の配列が更に1個以上の付加的な非天然アミノ酸を含むという点を除き、標的の配列と同一である。非天然免疫原はこの免疫原が由来する標的部分と実質的に同様の構造を含むことができ、及び/又はこの免疫原が由来する標的部分と実質的に同様の三次及び/又は四次構造を含むことができる。] [0026] 非天然免疫原に存在する1個以上の非天然アミノ酸は場合により抗体に接触可能とすることができる。1種以上の交差反応性抗体は場合により非天然免疫原上の対応するエピトープと同一の配列を含む標的部分上のエピトープに特異的でもよい。他方、交差反応性抗体は場合により非天然免疫原上の対応するエピトープと異なる配列(例えば場合により1個以上の非天然アミノ酸を含む別の配列)を含む標的部分上のエピトープに特異的でもよい。] [0027] 各種態様において、ワクチンを製造するために準備する免疫原は上記側面又は本明細書の他の箇所に記載する方法のいずれかによりそれ自体作製することができる。また、非天然免疫原は場合により上記側面又は本明細書の他の箇所に記載する非天然アミノ酸のいずれかを含むことができる。標的部分は場合により(例えば上記側面又は本明細書の他の箇所に記載する非自己抗原又は部分のいずれかを含む)非自己部分、又は自己部分(例えば上記側面又は本明細書の他の箇所に記載するもののいずれか等の疾患関連自己部分)を含むことができる。] [0028] この側面の所定態様において、標的自己部分はTNFαとすることができる。例えば、対象がマウスである態様において、標的自己部分はmTNFαとすることができ、免疫原は非天然mTNFα(例えばpNO2Phe86−mTNFα、pNO2Phe11−mTNFα、pNO2Phe19−mTNFα、pNO2Phe21−mTNFα、pNO2Phe42−mTNFα、pNO2Phe49−mTNFα、pNO2Phe104−mTNFα、及びpNO2Phe113−mTNFαを含む非天然mTNFα)とすることができる。対象がヒトである態様において、標的自己部分はhTNFαとすることができ、免疫原は非天然hTNFα(例えばpNO2Phe11−hTNFα、pNO2Phe19−hTNFα、pNO2Phe21−hTNFα、pNO2Phe42−hTNFα、pNO2Phe49−hTNFα、pNO2Phe87−hTNFα、pNO2Phe105−hTNFα、及びpNO2Phe114−hTNFα)とすることができる。] [0029] 別の側面において、本発明は更にpNO2Phe86−TNFαを含む非天然TNFαを細胞で作製する方法を提供する。前記方法は細胞を適切な培地で増殖させる段階を含む。このような態様において、細胞はTNFαをコードし、アミノ酸86位に少なくとも1個のセレクターコドンを含む核酸を含むことができる。細胞は更にセレクターコドンを認識する直交tRNA(O−tRNA)と、O−tRNAをpNO2Pheで優先的にアミノアシル化する直交アミノアシルtRNAシンテターゼ(O−RS)を含むことができる。前記方法は更に、pNO2Pheを準備し、(O−RS)にO−tRNAをpNO2Pheで優先的にアミノアシル化させ、セレクターコドンに応答して直交アミノアシルtRNAシンテターゼにpNO2Pheをアミノ酸86位に組込ませ、非天然TNFαを産生させる段階を含む。本発明の他の態様としては、(例えば所望免疫原の核酸、所望位置の適切なセレクターコドン、所望アミノ酸の存在、及び適切な対応する直交機構ORS、OtRNA等を)適宜改変した同様の方法により免疫原の任意所望位置に任意所望非天然アミノ酸を組込んだ他の任意非天然免疫原の作製方法が挙げられる。] [0030] 本発明は更に非天然TNFαを提供する。本発明により提供される非天然mTNFαとしては、pNO2Phe86−mTNFα、pNO2Phe11−mTNFα、pNO2Phe19−mTNFα、pNO2Phe21−mTNFα、pNO2Phe42−mTNFα、pNO2Phe49−mTNFα、pNO2Phe104−mTNFα、及びpNO2Phe113−mTNFαが挙げられる。本発明により提供されるhTNFαとしては、pNO2Phe11−hTNFα、pNO2Phe19−hTNFα、pNO2Phe21−hTNFα、pNO2Phe42−hTNFα、pNO2Phe49−hTNFα、pNO2Phe87−hTNFα、pNO2Phe105−hTNFα、及びpNO2Phe114−hTNFαが挙げられる。本発明はこれらの非天然TNFαを含有する組成物も提供する。] [0031] 本発明は上記非天然TNFαに対する抗体と、これらの抗体を含有する組成物も提供する。本発明は非天然アミノ酸を含まない天然TNFαと、1個以上の非天然アミノ酸を組込んだTNFαに対して交差反応性の抗体と、これらの抗体を含有する組成物も提供する。] [0032] 本発明はpNO2Phe43mRBP4を含む非天然mRBP4と、前記非天然mRBP4を含有する組成物も提供する。更に、本発明はこの非天然mRBP4に対する抗体でありながら、非天然アミノ酸を含まないRBP4に対して交差反応性の抗体と、これらの抗体を含有する組成物も提供する。] [0033] 本発明の各種側面において、非天然免疫原に組込まれる1個以上の非天然アミノ酸は免疫原の合成中に組込まれる。所定態様では、翻訳後修飾又は合成後化学修飾以外の方法で1個以上の非天然アミノ酸を非天然免疫原に組込む。従って、各種態様では、直交翻訳、in vitro翻訳、ネイティブケミカルライゲーション、発現蛋白質ライゲーション、又は固相合成法の1種以上により1個以上の非天然アミノ酸を非天然免疫原に組込む。本発明の各種態様において、非天然免疫原はグリコシル化、ニトロアリール修飾、硝酸化、アルキル化、アセチル化、酸化、硫酸化、又はリン酸化された(例えば翻訳後修飾以外の方法又は化学修飾以外の方法によりグリコシル化、ニトロアリール修飾、硝酸化、アルキル化、アセチル化、酸化、硫酸化、又はリン酸化された)20種類の天然に存在する標準アミノ酸の1種以上を含む。] [0034] 所定態様において、本発明は本明細書に記載する方法及び組成物に有用な材料を含むキットないし製品を提供する。このようなキットは場合により1個以上の容器、ラベル、及び説明書と、抗体及び/又は非天然免疫原の構築用成分及び/又は実際の抗体及び/又は非天然免疫原(例えば非天然TNFα)を含むことができる。キットは更に場合により1種以上の抗体(例えば非天然免疫原に対する抗体でありながら、対象の体内に存在する天然標的部分に対して交差反応性の抗体)及び/又は1種以上の非天然免疫原と、場合により他の成分(例えば各種抗生物質、各種抗真菌剤等)を含むことができる。このような非天然免疫原としては限定されないが、本発明により提供される非天然TNFαの任意1種以上又は本明細書に記載する他の任意非天然免疫原が挙げられる。キットは場合により成分を保存するため又は成分を混合/調製するための(例えばガラス、プラスチック、ナイロン、綿、ポリエステル、金属等の)チューブ又は他の容器と、前記成分を対象(例えば処置を必要とするヒト等)に投与するために使用する1個以上の器具を含む。所定態様において、成分を対象に投与するために使用する器具は成分を保存及び/又は混合/調製する容器を含む。] [0035] キットは更に場合により本発明の抗体/非天然免疫原成分以外の他のコンポーネント(例えば緩衝液、希釈剤、フィルター、創傷被覆材、包帯、アプリケータ、ガーゼ、バリヤー、半透性バリヤー、舌圧子、針、及びシリンジ等)を含むことができる。] [0036] 所定態様において、キットは1種以上の病態/疾患状態について対象を処置するためのキットの使用に関する説明書(例えば一般に書面の説明書)を含む。所定態様において、キットは使用者が使用方法又は詳細な使用方法について問合せするためのURLアドレス又は電話番号等を含む。キットは単位用量、バルクパッケージ(例えば多用量パッケージ)、又は単位用量未満とすることができる。] [0037] 当業者に自明の通り、本発明の方法及び組成物は単独で使用することもできるし、組合せて使用することもできる。] [0038] 本発明のこれら及び他の特徴は添付図面と特許請求の範囲を参照して以下の詳細な記載を通読すると、更によく理解されよう。] [0039] 定義 本発明を詳細に記載する前に、本発明は特定装置又は生体系に限定されず、当然のことながら種々のものに適用できると理解すべきである。同様に、本明細書で使用する用語は特定態様のみの説明を目的とし、限定的でないことも理解すべきである。本明細書と特許請求の範囲で使用する単数形の不定冠詞及び定冠詞はそうでないことが内容から明白である場合を除き、複数形も含む。従って、例えば「表面」と言う場合には「2個以上の表面の組合せ」を含み、「細菌」と言う場合には「細菌混合物」を含み、他の用語についても同様である。] [0040] 特に定義しない限り、本明細書で使用する全科学技術用語は本発明が属する分野の当業者に通常理解されている通りの意味をもつ。本発明の試験の実施には本明細書に記載するものと同様又は等価の任意方法及び材料を使用することができるが、好ましい材料と方法は本明細書に記載するものである。本発明の記載及び特許請求の範囲において、以下の用語は以下の定義に従って使用される。] [0041] 抗体:本明細書で使用する「抗体」とは免疫グロブリン遺伝子又は免疫グロブリン遺伝子のフラグメントにより実質的又は部分的にコードされる1個以上のポリペプチドを含む蛋白質を意味する。認識される免疫グロブリン遺伝子としてはκ、λ、α、γ、δ、ε及びμ定常領域遺伝子と、無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が挙げられる。軽鎖はκ又はλとして分類される。重鎖はγ、μ、α、δ又はεとして分類され、夫々免疫グロブリンクラスIgG、IgM、IgA、IgD及びIgEに相当する。典型的な免疫グロブリン(例えば抗体)構造単位は四量体から成る。各四量体は同一のポリペプチド鎖2対から構成され、各対は「軽」鎖(約25kD)1本と「重」鎖(約50〜70kD)1本をもつ。各鎖のN末端は抗原認識に主に関与する約100〜110又はそれ以上のアミノ酸からなる可変領域を規定する。可変領域軽鎖(VL)及び可変領域重鎖(VH)なる用語は夫々これらの軽鎖と重鎖を意味する。] [0042] 抗体は例えば無傷の免疫グロブリン又は各種ペプチダーゼによる消化により生成された多数の十分に特性決定されたフラグメントとして存在することができる。従って、例えば、ペプシンはヒンジ領域のジスルフィド結合下の抗体を消化し、ジスルフィド結合によりVH−CH1と結合した軽鎖であるFabの二量体であるF(ab)’2を生成する。F(ab)’2を穏和な条件下で還元すると、ヒンジ領域のジスルフィド結合が切断され、F(ab)’2二量体をFab’単量体に変換することができる。Fab’単量体は本質的にヒンジ領域の部分をもつFabである(他の抗体フラグメントのより詳細な説明については、Fundamental Immunology,W.E.Paul,ed.,Raven Press,N.Y.(1999)参照)。各種抗体フラグメントが無傷の抗体の消化により表されるが、当業者に自明の通り、このようなFab’フラグメント等は化学的方法又は組換えDNA法の使用によりde novo合成することができる。従って、本明細書で使用する抗体なる用語は無傷の抗体の修飾により生成された抗体フラグメント又は組換えDNA法を使用してde novo合成された抗体フラグメントも含む。抗体としては1本鎖抗体が挙げられ、(直接又はペプチドリンカーを介して)可変領域重鎖と可変領域軽鎖を結合して連続ポリペプチドを形成する1本鎖Fv(sFv又はscFv)抗体が挙げられる。] [0043] 2個以上の異なる部分と「交差反応」する抗体は、例えばELISA、FACS又は当業者に公知の他の方法により判定した場合に、異なる部分の各々と結合することが可能である。例えば、非天然TNFα(例えばpNO2Phe86mTNFα等の本明細書に記載する非天然TNFαのいずれか1種)と結合し、(非天然アミノ酸を含まない)野生型(ないし天然)TNFαとも結合する抗体はこれらの2分子と交差反応する。本発明の特定態様において、非天然蛋白質に対する抗体は天然型の同一蛋白質(即ち非天然アミノ酸を含まないという点を除き、同一の蛋白質)と交差反応する。各種態様において、非天然分子と結合する抗体は、非天然分子に対する抗体の結合能の約1〜50%又は50〜100%又はそれ以上で天然型の同一分子と交差反応する。] [0044] 抗原:本明細書において「抗原」なる用語はこれを免疫した対象に抗体応答を誘導する分子又は物質の意味で使用する。抗原は蛋白質、ペプチド、糖質、核酸、脂質、ハプテン又は他の天然もしくは合成化合物(又はその組合せ)とすることができる。抗原は例えば生得(自己)抗原でもよいし、例えば細菌、ウイルス、寄生虫、真菌等に由来するものでもよい。この用語は各種腫瘍抗原、自己免疫疾患関連抗原等のいずれをも意味する。] [0045] コグネイト:「コグネイト」なる用語は共働する成分又は所定の相互特異性の側面をもつ成分、例えば直交tRNA(O−tRNA)と直交アミノアシルtRNAシンテターゼ(O−RS)を意味し、O−RSはO−tRNAを非天然アミノ酸で特異的にアミノアシル化する。] [0046] から誘導:本明細書で使用する「から誘導」なる用語は特定分子もしくは生物から単離された成分、あるいは特定分子もしくは生物又は特定分子もしくは生物からの情報を使用して作製された成分を意味する。例えば、第2のポリペプチドから誘導されるポリペプチドは第2のポリペプチドのアミノ酸配列と同一又は実質的に同様のアミノ酸配列を含むことができる。ポリペプチドの場合には、誘導種は例えば自然突然変異誘発、人工的特異的突然変異誘発又は人工的ランダム突然変異誘発により得ることができる。ポリペプチドを誘導するために使用する突然変異誘発は意図的に特異的でも意図的にランダムでもよいし、両者の混合でもよい。第1のポリペプチドから誘導される別のポリペプチドを作製するためのポリペプチドの突然変異誘発は(例えばポリメラーゼの非忠実性に起因する)ランダムなイベントとすることができ、誘導されたポリペプチドの同定は例えば本明細書に引用する参考文献に記載されているような適当なスクリーニング法により実施することができる。ポリペプチドの突然変異誘発は一般にポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの操作を伴う。] [0047] 標的部分又は標的分子:「標的部分」、「標的分子」、「標的蛋白質部分」、「標的抗原」等とは、本発明を利用して免疫応答を誘発/強化することが望ましい部分(例えば蛋白質、ペプチド、糖質、脂質、核酸、又はその任意の組合せ)を意味する。従って、標的部分は生得(自己)又は外生(外来)分子とすることができる。当然のことながら、本明細書における特定例(例えばTNFα)の列挙は限定的とみなすべきではなく、標的部分(及びそれに対応する非天然免疫原)は免疫応答を所望される任意分子とすることができる。従って、標的部分は非天然免疫原をモデル化又は設計する原型となる部分、非天然免疫原が由来する部分、非天然免疫原が対応する部分等である。以下に更に説明するように、非天然免疫原は、非天然免疫原が1個以上の非天然アミノ酸を含む(更に、例えば直交翻訳系、in vitro翻訳系等及び/又は翻訳後もしくは化学修飾以外の方法により作製される)という点を除き、標的部分と同一又はほぼ同一の配列を含む。多くの態様において、標的部分は疾患関連部分、即ち疾患状態(例えば癌、自己免疫疾患、又は細菌、ウイルス、プリオン、マイコプラズマ、真菌、寄生虫等の感染性生物に由来/起因する疾患等)により対象に発生又は存在する部分である。天然標的部分(即ち非天然アミノ酸を含まない)は抗原性及び/又は免疫原性でもそうでなくてもよい(例えば低免疫原性でもよい)。特定態様において、非天然型の標的部分(例えば天然標的部分と同様であるが、標的部分における対応する天然アミノ酸の置換及び/又は標的部分のアミノ酸への付加として1個以上の非天然アミノ酸を含む部分)は(天然標的部分が抗原性及び/又は免疫原性であるか否かに関係なく)抗原性及び/又は免疫原性である。このような非天然標的部分を本明細書では「非天然標的分子」、「非天然抗原」、又はより多くの場合には「非天然免疫原」等と言う。従って、本明細書において「非天然」免疫原、部分、分子等とは、1個以上の非天然アミノ酸を含むものである。所定のこのような非天然部分において、非天然アミノ酸は場合により完全又は部分的に抗体に接触可能である(例えば抗体は非天然アミノ酸を含む部分の領域と結合することができる)。] [0048] 有効量:「有効量」なる用語は所望結果を生じるために十分な用量又は量を意味する。所望結果としては、前記用量又は量を投与したレシピエントにおける客観的又は主観的改善(例えば交差反応性抗体の産生、長期生存、腫瘍数及び/又はサイズの減少、疾患状態の有効な予防又は部分的予防等)が挙げられる。] [0049] コードする:本明細書で使用する「コードする」なる用語は第1の分子又は配列鎖とは異なる第2の分子又は配列鎖の生産を誘導するためにポリマー巨大分子又は配列鎖中の情報を使用する任意プロセスを意味する。本明細書ではこの用語を広義に使用し、種々に適用することができる。所定側面において、「コードする」なる用語は新規に合成された相補的姉妹鎖をDNA依存性DNAポリメラーゼによりコードさせるための鋳型として2本鎖DNA分子の一方の鎖を使用する半保存的DNA複製プロセスを意味する。別の側面において、「コードする」なる用語は第1の分子とは異なる化学的性質をもつ第2の分子の生産を誘導するためにある分子中の情報を使用する任意プロセスを意味する。例えば、DNA分子は(例えばDNA依存性RNAポリメラーゼ酵素を使用する転写プロセスにより)RNA分子をコードすることができる。また、RNA分子は翻訳プロセスのようにポリペプチドをコードすることもできる。翻訳プロセスについて使用する場合には、「コードする」なる用語はアミノ酸をコードするトリプレットコドンにも適用する。所定側面において、RNA分子は例えばRNA依存性DNAポリメラーゼを使用する逆転写プロセスによりDNA分子をコードすることができる。別の側面において、DNA分子はポリペプチドをコードすることができ、この場合に使用する「コードする」とは当然のことながら転写プロセスと翻訳プロセスの両者を意味する。] [0050] 免疫原:本明細書で使用する「免疫原」とは場合により対象に投与することができ、免疫応答を誘導する部分を意味する。「非天然免疫原」は1個以上の非天然アミノ酸を含み、免疫応答を誘導するために対象に投与することができる部分(例えば疾患関連部分等の標的部分)を意味する。上記も参照。本発明の非天然免疫原では、このような免疫応答により産生される血清抗体、B細胞及び/又はT細胞は非天然アミノ酸を含まない対応する天然標的部分(例えば免疫原が由来する部分、免疫原をモデル化/設計する原型となる部分、免疫原が対応する部分等)に対して交差反応性であり、天然標的部分に対する免疫応答を誘発すると有利である。従って、所定態様において、非天然免疫原は非天然免疫原が由来する天然標的部分(又は非天然免疫原が対応する部分等)に関連する疾患に対して防御性である(又は疾患状態を治療するために使用可能な)免疫応答を誘導することができる。] [0051] 免疫原性組成物:「免疫原性組成物」とは、1個以上の分子を含み、組成物を対象に投与すると、前記部分に対する体液性及び/又は細胞性免疫応答を対象に誘発する組成物である。免疫原性組成物は注射、吸入、経口、鼻孔内及び粘膜(例えば直腸内又は膣内)投与によりレシピエント対象に直接導入することができる。] [0052] 免疫的応答又は免疫応答:部分又はその組成物に対する「免疫的応答」又は「免疫応答」とは前記部分に対する細胞性及び/又は抗体介在性免疫応答が対象に生じることである。通常、免疫応答としては限定されないが、以下の作用、即ち前記部分の1種以上の抗原に特異的な(好ましくは)抗体、B細胞、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、及び/又は細胞傷害性T細胞及び/又はγδT細胞の産生の1種以上が挙げられる。各種態様において、対象は前記部分による新規攻撃に対する耐性を強化するように、及び/又は前記部分に起因/関連する疾患状態の臨床重篤度を低下するように、治療又は予防免疫応答を示す。] [0053] 〜に応答して:非天然分子の直交作製に関して本明細書で使用する「〜に応答して」なる用語は、O−tRNAがセレクターコドンを認識し、tRNAと結合した非天然アミノ酸を成長中のポリペプチド鎖に組込むのを媒介するプロセスを意味する。] [0054] 直交:本明細書で使用する「直交」なる用語は細胞又は翻訳系に内在する対応分子に比較して低効率で細胞の内在成分と共働するか、あるいは細胞の内在成分と共働できない分子(例えば直交tRNA(O−tRNA)及び/又は直交アミノアシルtRNAシンテターゼ(O−RS))を意味する。tRNA及びアミノアシルtRNAシンテターゼに関して直交とは、内在tRNAが内在tRNAシンテターゼと共働する能力に比較して直交tRNAが内在tRNAシンテターゼと共働できないか又は低効率(例えば20%未満、10%未満、5%未満、又は1%未満の効率)でしか共働できず、あるいは、内在tRNAシンテターゼが内在tRNAと共働する能力に比較して直交アミノアシルtRNAシンテターゼが内在tRNAと共働できないか又は低効率でしか共働できないことを意味する。直交分子は細胞内に機能的に正常な相補的内在分子をもたない。例えば、細胞中の直交tRNAがこの細胞の任意内在RSによりアミノアシル化される効率は内在tRNAが内在RSによりアミノアシル化される効率に比較して低いか又はゼロである。別の例では、直交RSが該当細胞の任意内在tRNAをアミノアシル化する効率は内在tRNAが内在RSによりアミノアシル化される効率に比較して低いか又はゼロである。第1の直交分子と共働する第2の直交分子を細胞に導入することができる。例えば、直交tRNA/RS対は対照(例えば対応するtRNA/RS内在対、又は活性直交対)の効率に比較して所定の効率(例えば45%の効率、50%の効率、60%の効率、70%の効率、75%の効率、80%の効率、90%の効率、95%の効率、又は99%以上の効率)で細胞において共働する導入相補成分を含む。] [0055] 直交アミノアシルtRNAシンテターゼ:本明細書で使用する直交アミノアシルtRNAシンテターゼ(O−RS)とは該当翻訳系においてO−tRNAをアミノ酸で優先的にアミノアシル化する酵素である。O−RSがO−tRNAに負荷するアミノ酸は天然、非天然又は人工のいずれかを問わずに任意アミノ酸とすることができ、本明細書では限定しない。シンテターゼは場合により天然に存在するチロシルアミノ酸シンテターゼと同一又は相同であるか、あるいはO−RSと呼ぶシンテターゼと同一又は相同である。] [0056] 直交tRNA:本明細書で使用する直交tRNA(O−tRNA)とは該当翻訳系に直交性のtRNAであり、tRNAは例えば(1)天然に存在するtRNAと同一であるか又は実質的に同様であるか、(2)自然又は人工突然変異誘発により天然に存在するtRNAから誘導されるか、(3)(1)又は(2)の野生型又は突然変異体tRNA配列の配列を考慮する任意プロセスにより誘導されるか、(4)野生型又は突然変異体tRNAと相同であるか、(5)直交tRNAシンテターゼの基質として指定する任意特定tRNAと相同であるか、あるいは(6)直交tRNAシンテターゼの基質として指定する任意特定tRNAの保存的変異体である。O−tRNAはアミノ酸を負荷した状態でも負荷しない状態でも存在することができる。更に当然のことながら、「O−tRNA」は場合によりコグネイトシンテターゼにより非天然アミノ酸を負荷(アミノアシル化)される。実際に、当然のことながら、O−tRNAは翻訳中にセレクターコドンに応答して成長中のポリペプチドにほぼ任意の非天然アミノ酸を挿入するために有利に使用される。] [0057] 医薬組成物:本明細書において「医薬組成物」なる用語は動物又はヒトを含む対象に医薬として使用又は投与するのに適した組成物を意味する。医薬組成物は一般に有効量の活性剤(例えば本発明の抗体及び/又は非天然免疫原)と医薬的に許容可能なキャリヤー、緩衝液、アジュバント等を含有する。「医薬的に許容可能」ないし「薬理的に許容可能」な材料とは、生物学的又は他の観点で有害でない材料であり、即ちこのような材料は望ましくない生体作用を全く(又は殆ど)生じずに、又はこの材料を含有する組成物の成分と有害に相互作用せずに、製剤又は組成物として個体に投与することができる。] [0058] ポリペプチド:ポリペプチドは必ずしもそうでなくてもよいが、一般に共有ペプチド結合により結合した任意長のアミノ酸残基(天然又は非天然又はその組み合わせ)の任意オリゴマーである。ポリペプチドは任意起源に由来することができ、例えば天然に存在するポリペプチド、組換え分子遺伝技術により作製されたポリペプチド、細胞もしくは翻訳系に由来するポリペプチド、又は無細胞合成手段により作製されたポリペプチドが挙げられる。ポリペプチドはそのアミノ酸配列(例えばその成分アミノ酸残基の一次構造)により特徴付けられる。本明細書で使用するポリペプチドのアミノ酸配列とは全長配列に限定されず、部分配列でも完全配列でもよい。更に、ポリペプチドは特定生理活性の有無により限定されない。本明細書で使用する「蛋白質」なる用語はポリペプチドと同義である。「ペプチド」なる用語は限定されないが、例えば2〜25アミノ酸長の短いポリペプチドを意味する。] [0059] 優先的にアミノアシル化する:直交翻訳系に関して本明細書で使用する場合に、O−RSが発現系で任意内在tRNAに負荷するよりも効率的にO−tRNAにアミノ酸を負荷するときにO−RSはコグネイトO−tRNAを「優先的にアミノアシル化する」。即ち、O−tRNAと所与の任意内在tRNAがほぼ等モル比で翻訳系に存在するとき、O−RSは内在tRNAに負荷するよりも高頻度でO−tRNAに負荷する。O−RSにより負荷されるO−tRNAとO−RSにより負荷される内在tRNAの相対比は高いことが好ましく、従って、O−tRNAと内在tRNAが等モル濃度で翻訳系に存在する場合にはO−RSはO−tRNAに排他的、又はほぼ排他的に負荷することが好ましい。O−tRNAとO−RSが等モル濃度で存在する場合にO−RSにより負荷されるO−tRNAと内在tRNAの相対比は1:1を上回り、好ましくは少なくとも約2:1、より好ましくは5:1、更に好ましくは10:1、更に好ましくは20:1、更に好ましくは50:1、更に好ましくは75:1、更に好ましくは95:1、98:1、99:1、100:1、500:1、1,000:1、5,000:1又はそれ以上である。] [0060] (a)O−RSが内在tRNAに比較してO−tRNAを優先的にアミノアシル化するとき、及び(b)O−RSがO−tRNAを任意天然アミノ酸でアミノアシル化する場合に比較してそのアミノアシル化が非天然アミノ酸に特異的であるときにO−RSは「O−tRNAを非天然アミノ酸で優先的にアミノアシル化する」。即ち、非天然アミノ酸と天然アミノ酸がO−RSとO−tRNAを含む翻訳系に等モル量で存在するとき、O−RSは天然アミノ酸よりも高頻度で非天然アミノ酸をO−tRNAに負荷する。非天然アミノ酸を負荷されたO−tRNAと天然アミノ酸を負荷されたO−tRNAの相対比は高いことが好ましい。O−RSはO−tRNAに排他的、又はほぼ排他的に非天然アミノ酸を負荷することがより好ましい。天然アミノ酸と非天然アミノ酸の両者が等モル濃度で翻訳系に存在するとき、O−tRNAの非天然アミノ酸負荷とO−tRNAの天然アミノ酸負荷の相対比は1:1を上回り、好ましくは少なくとも約2:1、より好ましくは5:1、更に好ましくは10:1、更に好ましくは20:1、更に好ましくは50:1、更に好ましくは75:1、更に好ましくは95:1、98:1、99:1、100:1、500:1、1,000:1、5,000:1又はそれ以上である。] [0061] 予防的処置:「予防的処置」とは疾患、疾病ないし病態の徴候もしくは症状を示さないか、又は疾患、疾病ないし病態の初期徴候もしくは症状しか示さない対象に施用する処置であり、疾患、疾病ないし病態を発症する危険を軽減、防止又は低下させる目的で施用する。予防的処置は疾患ないし病態に対する予防的処置として機能する。「予防活性」とは疾病、疾患ないし病態の徴候もしくは症状を示さない(又はその初期徴候もしくは症状しか示さない)対象に施用した場合に対象が疾病、疾患ないし病態を発症する危険を軽減、防止又は低下させる非天然免疫原及び/又は抗体、又はその組成物等の物質の活性である。「予防的に有用な」物質又は化合物(例えば本発明の非天然免疫原及び/又は抗体)とは疾病、疾患ないし病態の発症を軽減、防止、処置又は低下させるのに有用な物質又は化合物を意味する。] [0062] セレクターコドン:「セレクターコドン」なる用語は翻訳プロセスでO−tRNAにより認識され、内在tRNAにより認識されないコドンを意味する。O−tRNAアンチコドンループはmRNA上のセレクターコドンを認識し、そのアミノ酸(例えば非天然アミノ酸)をポリペプチドのこの部位に組込む。セレクターコドンとしては例えば終止コドン(例えばアンバー、オーカー及びオパールコドン)等のナンセンスコドン、4塩基以上のコドン、レアコドン、天然又は非天然塩基対から誘導されるコドン及び/又は同等物を挙げることができる。] [0063] 対象:本明細書で使用する「対象」なる用語は限定されないが、例えばヒト、非ヒト霊長類(例えばサル)、マウス、ブタ、ウシ、ヤギ、ウサギ、ラット、モルモット、ハムスター、ウマ、サル、ヒツジ、又は他の非ヒト哺乳動物を含む哺乳類と、例えば鳥類(例えばニワトリ又はアヒル)等の非哺乳類脊椎動物を含む非哺乳類を包含する。所定態様において、本発明の方法及び組成物は非ヒト動物を(予防的及び/又は治療的の両面で)処置するために使用される。多くの商業的に重要な動物は本発明で場合により処置することができる例えば各種癌又は自己免疫疾患、又は(例えばウイルス/細菌等の)各種感染症にかかり易い。] [0064] 治療的処置:「治療的処置」とは疾病、疾患ないし病態の症状又は徴候を示す対象に施用する処置であり、例えば一般に徴候/症状を発生させた疾患状態を軽減及び/又は除去することにより、疾病、疾患ないし病態の徴候又は症状を軽減又は除去する目的で施用する。「治療活性」とは疾病、疾患ないし病態の徴候又は症状を示す対象に施用した場合に徴候又は症状を除去又は軽減する蛋白質及び/又は抗体、又はその組成物等の物質の活性である。「治療的に有用な」物質又は化合物(例えば非天然免疫原及び/又は抗体)とは疾病、疾患ないし病態のこのような徴候又は症状を軽減、処置又は除去するのに有用な物質又は化合物を意味する。] [0065] 翻訳系:「翻訳系」なる用語は成長中のポリペプチド鎖(蛋白質)にアミノ酸を組込む成分を意味する。翻訳系の成分としては例えばリボソーム、tRNA、シンテターゼ、mRNA等を挙げることができる。] [0066] 処置:本明細書で使用する「処置」は一般に感染もしくは再感染の予防、症状の軽減もしくは除去、及び/又は病原体もしくは疾患状態の実質的もしくは完全な除去を意味する。処置は例えば感染前、疾患状態の開始前、又は疾患状態の主要症状の発現前に予防的に実施してもよいし、例えば病原体の感染後、疾患状態の開始後、又は疾患状態の主要症状の発現後に治療的に実施してもよい。] [0067] 非天然アミノ酸:本明細書で使用する「非天然アミノ酸」(UAA)なる用語は20種類の標準天然アミノ酸の1種又は希少天然アミノ酸(例えばセレノシステイン又はピロリジン)以外の任意アミノ酸、修飾アミノ酸、及び/又はアミノ酸類似体を意味する。例えば、本発明の各種態様では、非天然アミノ酸としてp−ニトロフェニルアラニン(図1A)、p−スルホチロシン、及びp−カルボキシフェニルアラニンを利用する。所定態様において、非天然アミノ酸としては、限定されないが、p−ニトロフェニルアラニン、o−ニトロフェニルアラニン、m−ニトロフェニルアラニン、p−ボロニルPhe、o−ボロニルPhe、m−ボロニルPhe、p−アミノPhe、o−アミノPhe、m−アミノPhe、p−アシルPhe、o−アシルPhe、m−アシルPhe、p−OMePhe、o−OMePhe、m−OMePhe、p−スルホPhe、o−スルホPhe、m−スルホPhe、5−ニトロHis、3−ニトロTyr、2−ニトロTyr、ニトロ置換Leu、ニトロ置換His、ニトロ置換Ile、ニトロ置換Trp、2−ニトロTrp、4−ニトロTrp、5−ニトロTrp、6−ニトロTrp、7−ニトロTrp、3−アミノチロシン、2−アミノチロシン、O−スルホチロシン、2−スルホオキシフェニルアラニン、3−スルホオキシオキシフェニルアラニン又はp−カルボキシフェニルアラニン、o−カルボキシフェニルアラニン、及びm−カルボキシフェニルアラニンが挙げられる。この場合も、当然のことながら、本発明は特定の非天然アミノ酸に限定されない。非天然アミノ酸に関する他の情報については以下に記載する。] 図1A [0068] 当然のことながら、上記用語及びその他の用語については、以下に更に詳述/記載する。] 図面の簡単な説明 [0069] pNO2Pheの化学構造と、mTNFα三量体の蛋白質構造と、pNO2Pheを突然変異体mTNFα蛋白質に組込む効率と忠実度を調べるために実施した実験の結果を示す。 pNO2Pheの化学構造と、mTNFα三量体の蛋白質構造と、pNO2Pheを突然変異体mTNFα蛋白質に組込む効率と忠実度を調べるために実施した実験の結果を示す。] [0070] pNO2Phe86−mTNFαのMALDI−TOF質量分析の結果を示す。] [0071] wt−mTNFαのMALDI−TOF質量分析の結果を示す。] [0072] 突然変異体mTNFα蛋白質の三次構造に及ぼすTyr86pNO2Phe置換の影響を調べるために実施したFPLC実験の結果を示す。] [0073] 各種mTNFα突然変異体のNFκB−Luc活性分析を示す。] [0074] (a)PBS、(b)WT−mTNFα、(c)pNO2Phe86mTNFα又は(d)Phe86mTNFαを免疫したC57BL/6マウスの血清力価を示す。] [0075] wt mTNFα又はpNO2Phe86mTNFαを免疫したBcl2マウスのwt mTNFα及びpNO2Phe86mTNFαに対する血清力価を示す。] [0076] アジュバントの不在下でwt mTNFα、又はpNO2Phe86mTNFαを免疫したBcl−2マウスの血清力価を測定するために実施したwt mTNFα又はpNO2Phe86mTNFαに対するELISAの結果を示す。] [0077] アジュバントの存在下又は不在下でPhe86mTNFαを免疫したBcl2マウスのwt mTNFα及びPhe86mTNFαに対する血清力価を示す。] [0078] 図10AはpNO2Phe42mTNFα又はPhe42mTNFαを免疫したC57BL/6マウスのwt mTNFα、pNO2Phe42mTNFα、及びPhe42mTNFαに対する血清力価を示す。図10BはpNO2Phe11mTNFα又はPhe42mTNFαを免疫したC57BL/6マウスのWT mTNFα、PBS、及びpNO2Phe11mTNFαに対する血清力価を示す。] 図10A 図10B [0079] pNO2Phe86mTNFαの免疫がTNFα依存性重度内毒素血症モデルでマウスの生存率を改善するか否かを調べるために実施した実験の結果を示す。] [0080] pNO2Phe86−mTNFαのトリプシン処理フラグメントのMS/MSシーケンシングの結果を示す。] [0081] His6−Phe86mTNFα(WT)又はHis6−pNO2Phe86mTNFα上のN末端His6タグの存在がその後の免疫実験に影響を与えないことを示すために実施した実験の結果を示す。] [0082] 血清力価持続性を測定するために実施した実験の結果を示す。] [0083] T細胞増殖アッセイの結果を示す。] [0084] pNO2Phe86mTNFα免疫が、WT mTNFαに対する有意交差反応性を示し、マウスで少なくとも40週間持続するIgG応答へのクラススイッチを促進することを示す。 pNO2Phe86mTNFα免疫が、WT mTNFαに対する有意交差反応性を示し、マウスで少なくとも40週間持続するIgG応答へのクラススイッチを促進することを示す。 pNO2Phe86mTNFα免疫が、WT mTNFαに対する有意交差反応性を示し、マウスで少なくとも40週間持続するIgG応答へのクラススイッチを促進することを示す。] [0085] mTNFα上の4カ所の表面露出部位が有意な免疫原性を示すことを示す。] [0086] 各種pNO2Phe mTNFα突然変異体を免疫したマウスではリポ多糖(LPS)攻撃後に有意な生存率利得があることを示す。] [0087] 自己抗原mRBP4へのpNO2Pheの組込みがmRBP4に対する寛容低下を生じるか否かを調べるために実施した実験の結果を示す。] [0088] WT mTNFαがpNO2Phe86mTNFαにより誘導した寛容低下を持続できないことを示す。] [0089] 3個のmTNFαフラグメントの質量分析を示す。 3個のmTNFαフラグメントの質量分析を示す。] [0090] 3個のmTNFαフラグメントとの抗mTNFα mAbの結合を示す。] [0091] mTNFαの表面露出部位へのpNO2Pheの組込みを確認するために実施した実験の結果を示す。] [0092] mRBP4の表面露出部位へのpNO2Pheの組込みを確認するために実施した実験の結果を示す。] [0093] pNO2Phe43mRBP4とpNO2Phe108mRBP4のトリプシン処理フラグメントのMS/MS分析がpNO2Pheの組込みのパターンと一致することを示す。 pNO2Phe43mRBP4とpNO2Phe108mRBP4のトリプシン処理フラグメントのMS/MS分析がpNO2Pheの組込みのパターンと一致することを示す。] [0094] C57BL/6マウスにおけるpNO2Phe43mRBP4の免疫原性を測定するために実施した実験の結果を示す。] [0095] (A)はpNO2Phe43mRBP4のpNO2Phe含有トリプシン処理フラグメントのMS/MSシーケンシングの結果を示す。(B)はpNO2Phe108mRBP4のpNO2Phe含有トリプシン処理フラグメントのMS/MSシーケンシングの結果を示す。 (A)はpNO2Phe43mRBP4のpNO2Phe含有トリプシン処理フラグメントのMS/MSシーケンシングの結果を示す。(B)はpNO2Phe108mRBP4のpNO2Phe含有トリプシン処理フラグメントのMS/MSシーケンシングの結果を示す。] [0096] 概要 自己蛋白質もしくは他の自己分子に対する強い免疫応答を選択的に誘導できること、又は外来抗原の特定エピトープの免疫原性を強化できることは癌、蛋白質フォールディング病、及び感染症(例えば細菌、ウイルス、又は他の種類の感染症)を含む多数の疾患状態用のワクチンの製造に有意義である。本発明はワクチン接種に有利に使用することができる非天然免疫原を作製するため又は受動免疫用抗体を作製するために蛋白質への非天然アミノ酸の直接組込みを利用する。本発明において、非天然アミノ酸を組込む蛋白質はワクチン接種/免疫する対象の体内に存在する標的部分(例えば疾患関連部分)に対応する(又は対象の体内に存在することが可能な標的部分に対応する)。非天然アミノ酸を組込んだ免疫原を対象に投与する態様において、非天然アミノ酸の存在は非天然免疫原に対する免疫応答を誘起する。このような応答により産生される抗体は免疫原が由来する(又は対応する)天然標的部分に対して交差反応性であり、標的部分に対する免疫応答を誘発すると有利である。本発明の方法は対象の体内に存在する(又は存在することが可能な)非免疫原性又は低免疫原性標的部分に対する免疫応答を誘発するのに特に有用である。本発明は更に非天然免疫原(即ち非天然アミノ酸を含む免疫原)に対して産生される抗体でありながら、対象の体内に存在する(又は存在することが可能な)対応する天然標的部分(この場合も例えば疾患関連部分)に対して交差反応性の抗体を対象に投与する態様を含む。いずれの態様でも、本発明は生得自己蛋白質(例えばTNFα)であるか、外来分子(例えば細菌抗原)であるかに関係なく、標的部分による攻撃に対する免疫防御を強化する。] [0097] 1例において、本明細書に記載する発明はTNFαの活性に関連する疾病の治療及び/又は予防に有用であり得る組成物と方法を提供する。腫瘍壊死因子α(TNFα)は多くの慢性炎症性疾患(例えば敗血症ショック、関節リウマチ、脳マラリア、及びクローン病)の悪化及び/又は発症に関係する多面的サイトカインである。本発明は非天然TNFα(例えば抗体に接触可能な1個以上の免疫原性非天然アミノ酸を含むTNFα)の作製方法を提供する。本発明は更にTNFαに対する免疫寛容を解除するため、例えば生体の内在TNFαに対する免疫応答を誘発又は強化するように免疫系を誘導するために、非天然TNFαを使用する方法を提供する。例えば非天然TNFαに対して誘発され、TNFα上のエピトープと交差反応する抗体で内在TNFαを中和すると、例えば内毒素ショック、脳マラリア、自己免疫疾患、多臓器不全、多発性硬化症、心機能障害、アテローム性動脈硬化症、虚血再潅流傷害、インスリン抵抗性、関節リウマチ、クローン病、炎症性腸疾患、悪液質、敗血症ショック、エイズ、移植片対宿主病、細菌感染防御性肉芽腫、成人呼吸窮迫症候群、及び/又はシリカ肺線維症等の疾患の症状を緩和又は改善することができる。] [0098] TNFαを含む所定態様では、高度に免疫原性のニトロフェニル部分を含む非天然アミノ酸p−ニトロフェニルアラニンでmTNFα蛋白質の86位のチロシン残基を置換し、有用な治療及び/又は予防特性をもつ非天然TNFα誘導体を生成する。対象(例えばマウス)における治療的及び/又は予防的処置に使用することができるその他の非天然TNFα誘導体としては、pNO2Phe11−mTNFα、pNO2Phe19−mTNFα、pNO2Phe21−mTNFα、pNO2Phe42−mTNFα、pNO2Phe49−mTNFα、pNO2Phe104−mTNFα、又はpNO2Phe113−mTNFαが挙げられる。対象(例えばヒト)における治療的及び/又は予防的処置に使用することができるその他の非天然TNFα誘導体としては、pNO2Phe11−hTNFα、pNO2Phe19−hTNFα、pNO2Phe21−hTNFα、pNO2Phe42−hTNFα、pNO2Phe49−hTNFα、pNO2Phe87−hTNFα、pNO2Phe105−hTNFα、又はpNO2Phe114−hTNFαが挙げられる。] [0099] 別の例において、本明細書に記載する発明は更にレチノール結合蛋白質4(RBP4)の活性に関連する疾病の治療及び/又は予防に有用であり得る組成物と方法を提供する。RBP4は例えばマシュー・ウッド症候群、加齢黄斑変性(AMD)、及びシュタルガルト病等の存在/発症に関係があるとされている。] [0100] 非天然免疫原による免疫寛容解除 現代医療の大きな課題の1つは特定の低免疫原性外来抗原の免疫原性を増加するため、例えば中和抗体を誘発するため、又は自己抗原に対する寛容を選択的に克服するための堅牢な方法の開発であった。自己と非自己を免疫学的に区別するプロセスで重要なのは、主に自己反応性B又はT細胞の不在又は不活性化による自己免疫疾患を避けるために、哺乳動物の免疫系を自己蛋白質に対して「寛容化」する自己寛容の概念である。これらの課題に対処するために、改良型アジュバント及びキャリヤーの開発、抗原への強力なT細胞特異的エピトープの導入、脂質複合、コンビネーションワクチン等の数種類のストラテジーが推進されている。例えばDalum et al.,Nat Biotechnol 17:666(1999);Makela,et al.,Expert Rev Vaccines 1:399(2002);Restifo,Curr Opin Immunol 8:658(1996);Baldridge,et al.,Vaccine Adjuvants:Immunological and Clinical Principles.C.J.Hackett,Harn,D.A.Jr.,Eds.(Humana Press,Totowa,NJ,2006),pp.235−255;及びZuany−Amorim,et al.(2004)“Induction of TNF−alpha autoantibody production by Auto Vac TNF106:a novel therapeutic approach for the treatment of allergic diseases”Int Arch Allergy Immunol 133:154−163参照。ジアゾニウム誘導体で非特異的に高度に標識したウサギサイログロブリンをウサギに免疫すると、天然サイログロブリンに対する交差反応性抗体を誘導することが立証されている。Weigle,J Exp Med 121:289(1965)参照。しかし、このようなアプローチは他の抗原等に応用するように改変/制御しにくい。また、自己癌細胞をジニトロフェニル基で非特異的に誘導体化する方法もメラノーマ患者でワクチンとして利用されている(Berd,D.(2004)“M−Vax:an autologous,hapten−modified vaccine for human cancer”Expert Rev Vaccines 3:521−527)。その他の参考文献については随所(例えば下記実施例)に引用する。] [0101] 従来の試みと異なり、本発明は非天然免疫原を作製するために、標的部分(例えば疾患関連部分)の標的エピトープにおける1個以上の天然アミノ酸を(特定の所望位置で)1個以上の非天然アミノ酸(UAA)により置換する。代替的又は付加的に、非天然免疫原を作製するために、1個以上の特定の非天然アミノ酸残基を標的部分の標的エピトープに付加することができる。このような非天然アミノ酸置換及び/又は付加により、(例えば対象の体内の)野生型(wt)天然標的蛋白質の対応する領域に対して強力な免疫応答(例えばT細胞応答及び/又はB細胞応答)を誘起することが可能であり且つ免疫原性で場合により構造的に保存性の1個以上のエピトープを非天然免疫原に形成することができる。また、以下に更に説明するように、非天然免疫原に応答して産生される交差反応性抗体は非天然アミノ酸を含まない対応する天然標的分子の領域にも特異的になり得る。下記参照。モノクローナル抗体又はキメラ薬剤を使用して寛容を解除しようとする従来の試みは高頻度の注射と大量の蛋白質を必要とするため、問題があったが、本発明は場合によりこれらの試みよりも優れていると思われる。本明細書に記載するように、所定態様では、本発明の非天然免疫原を利用して対象に産生される抗体の血清持続性により、処置中に必要なブースター免疫の頻度を減らすことができる。] [0102] B細胞はBCR(B細胞受容体)又は膜結合型免疫グロブリンにより血液又はリンパ中の遊離(可溶性)抗原(例えば非天然免疫原)を認識する。抗原の認識後、B細胞はこれをインターナライズし、MHCと複合体化した抗原のフラグメントをその表面に提示する。活性化されると、B細胞はメモリーB細胞に分化することができ、抗原(非天然免疫原)が由来(対応)する疾患関連標的部分の中和等の作用、及び/又はエピトープが抗体に接触可能な感染性標的物質の破壊を助長できる抗体を産生及び分泌する。] [0103] 抗原(例えば非天然免疫原)に特異的なT細胞(例えばCD4+T細胞)は例えばB細胞により提示されるMHCと複合体化したペプチドフラグメントと結合する。その後、T細胞は増殖し、免疫細胞増殖分化を刺激するサイトカインを放出することができる。これらのプライミングされたT細胞の一部はメモリー細胞に分化し、例えば非天然免疫原が由来する標的(例えば疾患関連)部分に対する迅速な防御と、より迅速で有効な二次免疫応答を誘起する能力を付与する。この活性はTリンパ球増殖アッセイで定量することができる(実施例1及び2参照)。] [0104] 50種類を越える非天然アミノ酸が特異的ナンセンス及びフレームシフトコドンに応答して細菌、酵母又は哺乳動物細胞で遺伝的にコードされている。例えばWang,et al.,Science 292:498(2001);Chin,et al.,Science 301:964(2003);Liu,et al.,Nat Methods4:239(2007);Anderson,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A 101:7566(2004);及びWang,et al.,Angew Chem Int Ed Engl 44:34(2004)、並びに本明細書に引用するための参考文献参照。これらのアミノ酸としては、金属結合性アミノ酸、翻訳後修飾アミノ酸、蛍光アミノ酸、レドックス活性アミノ酸、光反応性アミノ酸及び化学反応性アミノ酸が挙げられる。例えば、フェニルアラニン誘導体であるp−ニトロフェニルアラニン(pNO2Phe,図1A)が分光距離プローブ用として高い忠実度と良好な効率でアンバーナンセンスコドンに応答して細菌の蛋白質に組込まれている。Tsao,et al.,J Am Chem Soc 128:4572(2006)参照。本明細書の実施例と記載ではpNO2Pheの使用について述べるが、当然のことながら、これは限定的とみなすべきではなく、本発明は任意非天然アミノ酸の使用を包含する(例えば、限定されないが、本明細書に列挙するもの及び/又は本明細書に引用する参考文献に記載されているものが挙げられる)。本発明の各種態様で使用することができる非天然アミノ酸に関する他の情報について以下に記載する。] 図1A [0105] 非天然免疫原による免疫寛容解除の例 恐らくπ電子不足系は抗体結合部位と共通のTyr及びTrp側鎖と相互作用する傾向があるという理由から、ニトロアリール基は高度に免疫原性のハプテンとして従来から使用されている(Keinan,Ed.,Catalytic Antibodies(Wiley−VCH,Weinheim,2005),1−28頁参照)。その密接な構造類似性により、該当標的部分(例えば疾患関連部分)におけるPhe→pNO2Phe又はTyr→pNO2Phe突然変異は免疫原が由来(対応)する野生型天然標的部分に対して交差反応性の強靭な免疫応答を誘発する免疫原を生じることができる。] [0106] 従って、実施例に示すように、マウスに例えばマウス腫瘍壊死因子α(mTNFα)のTyr86→pNO2Phe突然変異体を免疫すると、野生型mTNFα(wt mTNFα)に対する高力価抗体応答を生じ、マウスをリポ多糖(LPS)攻撃に対して効果的に防御する。] [0107] mTNFαは感染、炎症及び自己免疫現象の調節に関与する十分に特性決定されたサイトカインであり(Vassalli,Annu Rev Immunol 10:411(1992)参照)、その発現、構造、機能、及びシグナル伝達メカニズムを含むmTNFαの生物学的性質は広く研究されているため、本発明の各種側面を例証するための標的蛋白質としてmTNFαを選択した。例えばVassalli,前出;Baeyens,et al.,Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 55:772(1999);Pennica,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A 82:6060(1985);Pasparakis,et al.,J Exp Med 184:1397(1996);Baeyens,H.L.et al.,Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 53:329(1997);及びAggarwal,Vilcek,J.,Ed.,Tumor necrosis factors:structure,function,and mechanism of action(Dekker,New York,1992),1−587頁参照。更に、mTNFαノックアウトマウスは生存可能であり、明白な表現型異常を示さない(Pasparakis,前出参照)ため、マウスはTNFに対する中和免疫応答に耐え、ワクチン接種した動物を抗TNFα抗体産生と生物学的活性について分析できると思われる。更に、抗TNFα抗体(Knight,et al.,Mol Immunol 30:1443(1993);及びPresent,et al.,N Engl J Med 340:1398(1999))と可溶性キメラTNFα受容体(Peppel,et al.,J Exp Med 174:1483(1991);及びWilliams,et al.,Immunology 84:433(1995))は関節リウマチの治療に広く使用されている。従って、臨床用のTNFα特異的ワクチンが得られるならば望ましい(Dalum,前出;Spohn,et al.,J Immunol 178:7450(2007);Buanec,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A 103:19442(2006);Capini,et al.,Vaccine 22:3144(2004))。三量体mTNFαのX線結晶構造(Baeyens,et al.,Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 55:772(1999);及びBaeyens,et al.,Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 53:329(1997))に基づき、1個のTyr86→pNO2Phe突然変異体mTNFα(pNO2Phe86mTNFα,図1B参照)を本発明の例証用抗原として選択した。Tyr86は各種哺乳動物TNF間で高度に保存されており、この部位の突然変異は蛋白質フォールディング又は三量体形成に影響を与えないことが分かっている。Tyr86の突然変異は細胞毒性の有意低下も生じるため、ワクチン接種目的に有利である。例えばVan Ostade,et al.,Protein Eng 7:5(1994);Loetscher,et al.,J Biol Chem 268:26350(1993);及びZhang,et al.,J Biol Chem 267:24069(1992)参照。] 図1B [0108] 実施例2は、例えばTNFαに対するポリクローナルIgG抗体応答の性質と持続性を特性決定し、野生型レチノール結合蛋白質4、即ちmRBP4に対する抗体応答の誘発を立証する(従って、免疫機能に無関係の自己蛋白質による本発明の使用を立証する)ことにより、本発明の広範な利用可能性を更に例証する。興味深いことに、実施例2は更に、pNO2Pheにより誘導される自己寛容解除がWT mTNFαの複数のエピトープに対する抗体応答を生じることも示し、前記エピトープは非天然免疫原TNFαのpNO2Phe残基を含む領域に対応する天然TNFαの領域を必ずしも含まない。従って、本発明の非天然免疫原を免疫する結果、免疫グロブリンエピトープスプレディングが生じ、誘導エピトープとは異なるエピトープが誘発中の免疫応答の主要標的となるという利点がある。下記参照。非天然免疫原が由来する疾患関連部分全体にわたるエピトープに対する免疫の拡大は、ワクチン設計で特に必要とされる現象である。免疫系が疾患関連部分上の複数の標的を攻撃する能力を強化すると、この部分に対する免疫応答の効率及び/又は強靭性を増すことができる。] [0109] 当然のことながら、下記実施例の例証は本発明のTNFα又はRPB4に止まらない。本明細書の記載から明らかなように、各種態様は非天然TNFα及びRPB4部分に任意非天然アミノ酸の1個以上を含むことができる。更に、このような非天然免疫原に存在する非天然アミノ酸は場合により免疫原内の任意位置に存在することができる。天然TNFα及びRBP4の対応する天然アミノ酸に置換する非天然アミノ酸は保存的アミノ酸置換でもよいし、非保存的アミノ酸置換でもよい。また、非天然免疫原性TNFα及びRBP4は多数の方法の任意のもので作製することができる。多くの態様は非天然アミノ酸の直接組込み手段として直交翻訳(下記参照)を利用するが、他の直接組込み法(例えばin vitro翻訳系、固相合成法等)も場合により使用できる。本発明の態様は直交翻訳等の直接組込み法と併用又は追加使用する場合を除き、一般に翻訳後又は化学修飾法を使用しない。] [0110] 免疫応答を増強/強化するための方法及び組成物 本明細書の実施例及び記載から明らかなように、本発明の非天然免疫原は標的部分に関連する疾患に対して防御性の(又は疾患状態を治療するために使用可能な)強靭な交差反応性抗体応答を天然標的部分(例えば非天然アミノ酸を含まない疾患関連蛋白質)に対して誘発することができる。従って、本発明は該当標的部分の特定エピトープ(例えば疾患関連部分の表面露出エピトープ又はT細胞エピトープ)に非天然アミノ酸を部位特異的に組込むことにより免疫自己寛容を解除することができる。例えば、以下の簡略スキームにおいて、標的部分(例えば疾患関連部分)はエピトープ1、2及び3を含む。非天然免疫原も前記部分のエピトープ1、2及び3に由来又は対応する(例えば同一配列をもつ)エピトープ1、2及び3を含む。他方、非天然免疫原のエピトープ2は標的部分の対応する天然アミノ酸に置換する非天然アミノ酸(星印で示す)を含む。非天然免疫原における非天然アミノ酸の存在は、標的部分の異なるエピトープを認識することができる交差反応性抗体の産生をもたらすことができる(エピトープスプレディング)。例えば、(非天然アミノ酸を含む非天然免疫原のエピトープに対応しない)エピトープ1及び3と(非天然アミノ酸をもつ非天然免疫原のエピトープに対応する)エピトープ2に対して交差反応性の抗体を産生することができる。] [0111] 該当標的部分の特定エピトープに非天然アミノ酸を部位特異的に組込むことにより免疫自己寛容を解除し、非天然免疫原を作製する方法は、蛋白質フォールディング病や癌に関連するもの(例えば夫々アミロイドβ(1−42)ペプチド又は前立腺特異的抗原)を含む多数の内在部分(例えば蛋白質)に適用可能である。更に、このアプローチは低免疫原性エピトープに対して強力な抗体応答を誘発し、外来標的部分(例えばウイルス、細菌、真菌、プリオン、又は寄生虫感染に起因する外来標的)に対して中和抗体を産生させることもできる。] [0112] 当然のことながら、本発明の各種態様は、対象に接種すると、非天然免疫原に対する抗体、B細胞及び/又はT細胞でありながら標的部分(例えば非天然アミノ酸を含まず、対象の体内に存在するか又は対象の体内に存在することが可能な疾患関連部分)に対して交差反応性の抗体、B細胞及び/又はT細胞の産生をもたらす非天然免疫原(即ち1個以上の非天然アミノ酸を含むという点を除き、標的部分に対応する分子)の投与を利用する。更に他の態様では、天然標的部分と交差反応し、対象に予防/治療剤として投与される抗体を産生させるために非天然免疫原を使用することができる。] [0113] 従って、所定態様において、本発明は1個以上の非天然アミノ酸を含む非天然免疫原を対象に投与することにより、対象の体内の標的部分(例えば疾患関連部分、対象の自己分子、対象の体内の病原体に由来する分子、又は対象の体内に存在することが可能な病原体に由来する分子等)に対する免疫(ないし免疫的)応答を誘発する方法を含む。非天然アミノ酸を含まない標的部分に対応する免疫原に対する抗体が対象により産生され、この抗体は特定標的部分に対して交差反応性である。この場合も、当然のことながら、産生される抗体は非天然免疫原上に非天然アミノ酸をもつエピトープに対応する標的部分上のエピトープに対して必ずしも特異的ではない。本発明の方法は標的(例えば疾患関連)部分に対する対象の免疫寛容を解除するために使用することができる。また、本明細書では直交翻訳系又は他の直接組込み法(下記参照)による作製について記載するが、免疫原性非天然抗原を作製後に他の方法(例えば化学修飾等)で修飾してもよい。このような間接法は一般に直交法等の直接組込み法と併用又は追加使用される。] [0114] 以下により詳細に説明するように、対象に免疫応答を誘発するために使用する免疫原は一般に対象の体内の標的部分又は対象の体内に存在することが可能な標的部分(例えば対象に感染することが可能な細菌に由来する部分、対象に発生することが可能な腫瘍に由来する部分等)の「非天然」型を含む。換言するならば、非天然免疫原は場合により標的部分の1個以上のアミノ酸残基が非天然アミノ酸で置換されているという点を除き、標的部分と同一のアミノ酸配列/構造を含むことができる(その他の例については下記実施例のセクション参照)。代替的又は付加的に、非天然免疫原は標的部分のアミノ酸配列に1個以上の非天然アミノ酸残基を付加した配列を含むことができる。特定態様において、非天然アミノ酸置換及び/又は付加は元の標的部分に対して非天然免疫原の立体配座構造を変化させない(又はごく僅かしか変化させない)。従って、非天然免疫原と標的部分の三次及び/又は四次構造は同一であるか、又は相互に非常に類似することができる。非天然免疫原における1個以上の非天然アミノ酸の配置は場合により、例えばその位置に配置することにより免疫原が由来する標的部分に対して免疫原の立体配座が変化するか否か、その位置により非天然アミノ酸が抗体に接触可能になるか(例えば抗体が非天然アミノ酸を含む領域と結合できるか)否か等に基づいて選択される。非天然免疫原に組込まれる非天然アミノ酸は(標的部分の対応する天然アミノ酸に対して)保存的置換でもよいし、非保存的置換でもよい。] [0115] 本発明の他の態様は1種以上の非天然免疫原を投与することにより、及び/又はこのような非天然免疫原に対する抗体でありながら、対応する天然標的部分に対して交差反応性の1種以上の抗体を投与することにより、対象を予防的及び/又は治療的に処置する方法に関する。] [0116] 本発明は更に少なくとも処置の対象になると予想される標的部分(例えば疾患関連部分)(例えばTNFα)を同定することによるワクチン製造方法を含む態様を含む。当然のことながら、このような標的部分は一般に「天然」であり、非天然アミノ酸を含まない。前記方法は更に非天然免疫原、即ち1個以上の非天然アミノ酸(例えば非天然アミノ酸置換及び/又は付加)を含む標的部分の対応する「非天然」型を準備する段階を含む。この場合も、非天然免疫原を対象に投与すると、免疫原に対する抗体でありながら標的部分に対して交差反応性の抗体を産生するように、免疫原は標的部分と同一又はほぼ同一の構造立体配座を含むことができる。本発明は更にこのような方法により作製されたワクチンも含む。] [0117] 当然のことながら、本発明の各種態様において、天然標的部分は免疫応答が誘発されるとき、及び/又は予防的処置が施用されるとき等に対象の体内に存在していてもよいし、存在していなくてもよい。従って、本発明の標的部分が対象の体内に存在すると記載する場合には、当然のことながら、標的部分が対象の体内に存在することが可能な場合も含む。従って、標的部分は対象に発生する可能性がある腫瘍に由来するものでもよいし、対象に感染する可能性がある感染性物質に由来するものでもよいし、その他のものでもよい。] [0118] 従って、随所に説明するように、各種態様において、標的部分は疾患関連部分、生得部分、外来部分等とすることができる。標的部分はそれ自体非免疫原性でもよいし、部分免疫原性又は低免疫原性等でもよい。外来性の標的部分は任意生物(例えば細菌、ウイルス等)に由来することができる。自己標的部分は任意自己抗原(例えば腫瘍関連抗原等)とすることができる。非天然免疫原に組込まれる非天然アミノ酸は任意非天然アミノ酸とすることができ(下記参照)、免疫原の任意位置に配置することができる。標的部分における天然アミノ酸に対して、免疫原における非天然アミノ酸の置換は保存的置換でも非保存的置換でもよい。更に、以下に詳述するように、非天然免疫原は多数の直接組込み法(例えば直交翻訳、固相合成法等)の任意のものにより作製することができる。本発明の典型的な態様は翻訳後修飾や化学修飾等の間接組込み法により非天然免疫原を作製しない(但し、このような方法を場合により直交翻訳等の直接組込み法と併用又は追加使用することや、直交翻訳等の直接組込み法の後に使用することは可能である)。] [0119] 疾患状態と疾患関連標的部分 本発明の方法及び組成物は多様な病態/疾患状態を予防的及び/又は治療的に処置するために使用することができる。例えば、本発明は免疫疾患の処置に使用することができる。このような免疫疾患としては限定されないが、自己免疫疾患(例えば糖尿病、関節炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、変形性関節症、乾癬性関節炎、多発性硬化症(例えばTRAIL、CD95/CD95等のMS関連抗原に関連するもの)、脳脊髄炎、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス(SLE)、自己免疫性甲状腺炎、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、湿疹様皮膚炎、乾癬、シェーグレン症候群、クローン病、アフタ性潰瘍、虹彩炎、結膜炎、角結膜炎、潰瘍性大腸炎、喘息、アレルギー性喘息、皮膚エリテマトーデス、強皮症、膣炎、直腸炎、薬疹、癩性リバーサル反応、癩性結節性紅斑、自己免疫性ぶどう膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、急性壊死性出血性脳症、特発性両側性感音難聴、再生不良性貧血、純赤血球性貧血、特発性血小板減少症、多発軟骨炎、ウェゲナー肉芽腫症、慢性活動性肝炎、スティーブンス・ジョンソン症候群、特発性スプルー、扁平苔癬、グレーブス病、サルコイドーシス、原発性胆汁性肝硬変、後部ぶどう膜炎及び間質性肺線維症)、移植片対宿主病、移植、及びアレルギー(例えばアトピー性アレルギー)が挙げられる。本発明は更に糖尿病/心血管病(例えばRBP4に関連するもの)等の非自己免疫/非感染性病原体を原因とする疾患状態や、アルツハイマー病(例えば疾患関連部分は例えばアミロイドβ40、アミロイドβ42等を含むことができる)等の特発性原因の疾患状態を処置することもできる。] [0120] 本発明の方法及び組成物の各種態様はTNFα活性に関連する疾患状態(例えば悪液質、敗血症ショック、細菌感染防御性肉芽腫、成人呼吸窮迫症候群、シリカ肺線維症、自己免疫疾患、多臓器不全、多発性硬化症、心機能障害、アテローム性動脈硬化症、虚血再潅流傷害、インスリン抵抗性、及び炎症性腸疾患等)を予防的及び/又は治療的に処置するために使用することもできる。本発明の他の態様はRBP4活性に関連する疾患状態(例えばマシュー・ウッド症候群、加齢黄斑変性(AMD)、及びシュタルガルト病等)を予防的及び/又は治療的に処置するために使用することができる。] [0121] 他の態様において、本発明の方法及び組成物は各種癌(例えば乳癌、前立腺癌、卵巣癌、肺癌、皮膚癌等)を予防的及び/又は治療的に処置するために使用することができる。このような処置としては限定されないが、腫瘍関連抗原が存在する癌の処置が挙げられる。多数の癌(例えば乳癌、前立腺癌、卵巣癌等)について腫瘍関連抗原が知られている。腫瘍関連抗原としては限定されないが、結腸癌と他の癌に由来する癌胎児性抗原(CEA)、MAGE、BAGE、RAGE、及びNY−ESO(精巣の免疫特権領域及び各種腫瘍細胞で発現される非突然変異抗原);同一組織に由来する正常及び新生細胞で発現される抗原である家系特異的腫瘍関連抗原(例えばメラノサイト−メラノーマ家系抗原MART−1/Melan−A、gp100、gp75、mda−7、チロシナーゼ及びチロシナーゼ関連蛋白質、又は前立腺特異的膜抗原(PSMA)及び前立腺特異的抗原(PSA);腫瘍細胞中で突然変異した遺伝子又は正常細胞と異なる腫瘍内レベルで転写された遺伝子に由来するエピトープ蛋白質/ペプチド(例えば突然変異ras、bcr/ab1再構成、Her2/neu、突然変異又は野生型p53、チトクロームP450 1B1、及び異常発現イントロン配列(例えばN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ−V));ミエローマ及びB細胞リンパ腫でユニークなイディオタイプを生成する免疫グロブリン遺伝子のクローン再構成;ヒトパピローマウイルス蛋白質E6及びE7等の腫瘍ウイルスプロセスに由来するエピトープ蛋白質/ペプチド;並びに癌胎児抗原やα胎児蛋白質等の腫瘍選択的発現を伴う非突然変異腫瘍胎児蛋白質が挙げられる。] [0122] 特定態様において、本発明は卵巣癌を処置するために使用することができ、及び/又は標的疾患関連部分は例えば卵巣癌関連抗原、CA19−9、p53、OCAA、HOXB7、Ca125等を含むことができる。更に他の態様において、本発明は前立腺癌を処置するために使用することができ、及び/又は標的疾患関連部分は例えば前立腺癌関連抗原、PSA、PSMA、STEAP、PCTA−I等を含むことができる。本発明の他の態様は乳癌の処置を含むことができ、及び/又は標的疾患関連部分は例えばCA15−3、CA27−29、Her2/neu等を含むことができる。本発明で利用することができる腫瘍関連抗原に関するその他の情報は例えば“Tumor−Antigens Recognized By T−Lymphocytes,”Boon,et al.,Annual Review Of Immunology 12:337−365,1994;及び“A listing of human tumor antigens recognized by T cells,”Renkvist,et al.,Cancer Immunology Immunotherapy 50:(1)3−15 MAR 2001に記載されている。] [0123] 他の態様において、本発明は限定されないが、例えばEGF、EGFR、HER−1、CXCR4、又はG蛋白質共役型受容体(GCPR)のいずれか等の自己抗原に関連する疾患、障害等を処置するために使用することができる。本発明により対処することができる多数の腫瘍関連抗原及び対応する癌と、自己抗原及び免疫疾患が当業者に周知である。] [0124] 所定態様において、本発明は非天然抗原がHIV/AIDSに関連する標的疾患関連部分(例えばgp120、gp41、gp160等)に対応し得るHIV感染症の処置を含む。他の代表的なHIV部分としては、限定されないが、gag、pol、env、tat、nef、及びrevが挙げられる。] [0125] 他の態様において、本発明はウイルス感染症を処置するために使用することができ、非天然免疫原はウイルスに関連する標的疾患関連部分に対応することができ、ウイルスとしては、例えばアデノウイルス、アルファウイルス、カリシウイルス(例えばカリシウイルスカブシド抗原)、コロナウイルス、CMV(例えばpp65)、ジステンパーウイルス、エボラウイルス、エンテロウイルス、EBV(例えばgp340又は核抗原3A)、フラビウイルス(例えばHep C(例えばコア抗原))、ヘパドナウイルス(例えばHep B(例えばB型肝炎コア又は表面抗原HbsAg、ないしエンベロープAg pre S2、もしくはpre S1 ag))、デルタ肝炎原因物質、E型もしくはF型肝炎ウイルス、A型肝炎ウイルス(例えばVP1)、GBV−C、ヘルペスウイルス(例えば単純ヘルペスウイルス蛋白質、例えばI型糖蛋白質GもしくはgpDもしくはCP27、又は水痘帯状疱疹ウイルス糖蛋白質、例えばIE62もしくはgp1ないしエンベロープ蛋白質)、免疫不全ウイルス(例えばHIV(例えばエンベロープ又はプロテアーゼ))、伝染性腹膜炎ウイルス、インフルエンザウイルス(例えばA型インフルエンザヘマグルチニン、ノイラミニダーゼ、又は核蛋白質)、LCMV(例えば核蛋白質)、白血病ウイルスマールブルグウイルス、オルトミクソウイルス、パピローマウイルス(例えばHPV(例えばHPVカプシド蛋白質))、パラインフルエンザウイルス(例えばヘマグルチニン/ノイラミニダーゼ)、パラミクソウイルス(例えばRSV(例えばF又はG蛋白質))、パルボウイルス、ペスチウイルス、ピコルナウイルス(例えばVP1、VP2、もしくはVP3等のポリオウイルスカプシドポリペプチド、又はHep A抗原)、ポックスウイルス(例えばエンベロープ蛋白質等のワクシニアウイルスポリペプチド)、狂犬病ウイルス(例えば狂犬病ウイルス糖蛋白質G)、レオウイルス、レトロウイルス、ライノウイルス(例えばヒトライノウイルスカプシド)、風疹ウイルス(例えばカプシド蛋白質)、又はロタウイルスが挙げられる。] [0126] 更に他の態様において、本発明は細菌又はマイコバクテリア感染症を処置するために使用することができ、非天然免疫原は細菌又はマイコバクテリアに関連する標的疾患関連部分に対応するように作製することができ、細菌又はマイコバクテリアとしては、例えばアクチノミセス属(Actinomyces)、バシラス属(Bacillus)、バクテロイデス属(Bacteroides)、ボルデテラ属(Bordetella)(例えば百日咳菌表面蛋白質)、バルトネラ属(Bartonella)、ボレリア属(Borrelia)(例えばB.burgdorferi OspA)、ブルセラ属(Brucella)(例えばブルセラ属菌表面蛋白質)、カンピロバクター属(Campylobacter)、キャプノサイトファーガ属(Capnocytophaga)、クラミジア属(Chlamydia)(例えばC.trachomatis表面蛋白質)、クロストリジウム属(Clostridium)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、コクシエラ属(Coxiella)、デルマトフィルス属(Dermatophilus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、エーリキア属(Ehrlichia)、エシェリキア属(Escherichia)、フランシセラ属(Francisella)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、ヘモバルトネラ属(Haemobartonella)、ヘモフィルス属(Haemophilus)(例えばb型インフルエンザ桿菌外膜蛋白質)、ヘリコバクター属(Helicobacter)、クレブシエラ属(Klebsiella)、L型菌、レプトスピラ属(Leptospira)、リステリア属(Listeria)(例えば表面蛋白質)、結核菌等のマイコバクテリウム属(Mycobacterium)(例えばMycobacteria lipoarabinomannan、マイコバクテリアmAPG、ESAT−6、Ag85B)、マイコプラズマ属(Mycoplasma)、ナイセリア属(Neisseria)(例えば髄膜炎菌クラス1外膜蛋白質)、ネオリケッチア属(Neorickettsia)、ノカルジア属(Nocardia)、パスツレラ属(Pasteurella)、ペプトコッカス属(Peptococcus)、ペプトストレプトコッカス属(Peptostreptococcus)、肺炎球菌(Pneumococcus)、プロテウス属(Proteus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、リケッチア属(Rickettsia)、ロシャリメア属(Rochalimaea)、サルモネラ属(Salmonella)、シゲラ属(Shigella)、ブドウ球菌属(Staphylococcus)(例えばブドウ球菌GP−1)、連鎖球菌属(Streptococcus)(例えば化膿連鎖球菌M蛋白質又は肺炎連鎖球菌莢膜多糖体又は連鎖球菌属表面蛋白質Ag)、トレポネーマ属(Treponema)、ビブリオ属(Vibrio)(例えばコレラ菌TcpAピリンサブユニット)、及びエルシニア属(Yersinia)(例えばペスト菌F1及びV抗原)が挙げられる。] [0127] 本発明の他の態様は真菌感染症の処置用の方法及び組成物等を含むことができ、作製される非天然免疫原は真菌に関連する標的疾患関連部分に対応することができ、真菌としては、例えばアブシジア属(Absidia)、アクレモニウム属(Acremonium)、アルタナリア属(Alternaria)、アスペルギルス属(Aspergillus)、バシジオボラス属(Basidiobolus)、ビポラリス属(Bipolaris)、ブラストミセス属(Blastomyces)、カンジダ属(Candida)、コクシジオイデス属(Coccidioides)、コニディオボラス属(Conidiobolus)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、カーブラリア属(Curvalaria)、エピデルモフィトン属(Epidermophyton)、エクソフィアラ属(Exophiala)、ゲオトリクム属(Geotrichum)、ヒストプラズマ属(Histoplasma)、マズレラ属(Madurella)、マラセチア属(Malassezia)、ミクロスポラム属(Microsporum)、モニリエラ属(Moniliella)、モルチエレラ属(Mortierella)、ムコール属(Mucor)、ペシロミセス属(Paecilomyces)、ペニシリウム属(Penicillium)、フィアレモニウム属(Phialemonium)、フィアロフォラ属(Phialophora)、プロトテカ属(Prototheca)、シュードアレシェリア属(Pseudallescheria)、シュードミクロドキウム属(Pseudomicrodochium)、ピシウム属(Pythium)、リノスポリジウム属(Rhinosporidium)、リゾプス属(Rhizopus)、スコレコバシディウム属(Scolecobasidium)、スポロトリクス属(Sporothrix)、ステムフィリウム属(Stemphylium)、トリコフィトン属(Trichophyton)、トリコスポロン属(Trichosporon)、及びキシロハイファ属(Xylohypha)等が挙げられる。] [0128] 本発明の所定態様は原生動物感染症の処置用の方法及び組成物等を含むことができ、作製される非天然免疫原は寄生原生動物に関連する標的疾患関連部分に対応することができ、寄生原生動物としては、例えばバベシア属(Babesia)、バランチジウム属(Balantidium)、ベスノイチア属(Besnoitia)、クリプトスポリジウム属(Cryptosporidium)、エイメリア属(Eimeria)、エンセファリトゾーン属(Encephalitozoon)、エントアメーバ属(Entamoeba)、ジアルジア属(Giardia)、ハモンディア属(Hammondia)、ヘパトゾーン属(Hepatozoon)、イソスポラ属(Isospora)、リーシュマニア属(Leishmania)(例えばgp63等のリーシュマニア主要表面糖蛋白質)、ミクロスポリジア属(Microsporidia)、ネオスポラ属(Neospora)、ノゼマ属(Nosema)、ペンタトリコモナス属(Pentatrichomonas)、プラスモジウム属(Plasmodium)(例えば熱帯熱マラリア原虫スポロゾイト周囲蛋白質(PfCSP)、スポロゾイト表面蛋白質2(PfSSP2)、肝細胞期抗原1のカルボキシル末端(PfLSA1c−term)、輸送蛋白質1(PfExp−1)、Pfs48/45、Pfs28、Pfs25、Pfs230)、ニューモシスチス属(Pneumocystis)、サルコシスチス属(Sarcocystis)、住血吸虫属(Schistosoma)、タイレリア属(Theileria)、トキソプラズマ属(Toxoplasma)、及びトリパノソーマ属(Trypanosoma)が挙げられる。] [0129] 本発明の更に他の態様は蠕虫感染症の処置用の方法及び組成物を含むことができ、作製される非天然免疫原は寄生蠕虫に関連する標的疾患関連部分に対応することができ、寄生蠕虫としては、例えばアカントケイロネマ属(Acanthocheilonema)、アエルロストロンギルス属(Aelurostrongylus)、アンシロストーマ属(Ancylostoma)、アンギオストロンギルス属(Angiostrongylus)、アスカリス属(Ascaris)、ブルギア属(Brugia)、ブノストムーム属(Bunostomum)、キャピラリア属(Capillaria)、チャベルチア属(Chabertia)、クーペリア属(Cooperia)、クレノソーマ属(Crenosoma)、ジクチオカウルス属(Dictyocaulus)、ジオクトフィーマ属(Dioctophyme)、ジペタロネーマ属(Dipetalonema)、裂頭条虫属(Diphyllobothrium)、ジピリジウム属(Diplydium)、ディロフィラリア属(Dirofilaria)、ドラクンクルス属(Dracunculus)、エンテロビウス属(Enterobius)、フィラロイデス属(Filaroides)、ヘモンクス属(Haemonchus)、ラゴキラスカリス属(Lagochilascaris)、ロア糸状虫属ポリペプチド、マンソネラ属(Mansonella)、ムエレリウス属(Muellerius)、ナノフィエツス属(Nanophyetus)、ネカトール属(Necator)、ネマトジルス属(Nematodirus)、エソファゴストム属(Oesophagostomum)、オンコセルカ属(Onchocerca)、オピストルキス属(Opisthorchis)、オステルタギア属(Ostertagia)、パラフィラリア属(Parafilaria)、パラゴニムス属(Paragonimus)、パラスカリス属(Parascaris)、フィサロプテラ属(Physaloptera)、プロトストロンギルス属(Protostrongylus)、エノコログサ属(Setaria)、スピロセルカ属(Spirocerca)、スピロメトラ属(Spirometra)、ステファノフィラリア属(Stephanofilaria)、ストロンギロイデス属(Strongyloides)、ストロンギルス属(Strongylus)、テラジア属(Thelazia)、トキサスカリス属(Toxascaris)、トキソカラ属(Toxocara)、トリキネラ属(Trichinella)、トリコストロンギルス属(Trichostrongylus)、トリチュリス属(Trichuris)、ウンシナリア属(Uncinaria)、及びウケレリア属(Wuchereria)が挙げられる。] [0130] 本発明の他の態様は外部寄生虫感染症の処置用の方法及び組成物を含むことができ、作製される非天然免疫原は外部寄生虫に関連する標的疾患関連部分に対応することができる。このような外部寄生虫としては、例えばノミ;マダニとヒメダニを含むダニ;ブヨ、蚊、サンドフライ、ブラックフライ、ホースフライ、ホーンフライ、ディアフライ、ツェツェバエ、サシバエ、蝿蛆症の原因となるハエ及びヌカバエ等のハエ類;アリ;クモ、シラミ;ケダニ;並びにナンキンムシやサシガメ等の半翅類昆虫が挙げられる。更に他の態様において、免疫原は花粉ないしアレルゲンの標的部分に対応することができる。] [0131] 非天然アミノ酸 本明細書で使用する非天然アミノ酸とはセレノシステイン及び/又はピロリジンと20種類の遺伝的にコードされる以下の標準αアミノ酸、即ちアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン以外の任意アミノ酸、修飾アミノ酸又はアミノ酸類似体を意味する。本発明の各種態様において、非天然免疫原に組込まれる1個以上の非天然アミノ酸は任意非天然アミノ酸とすることができる。従って、当然のことながら、本明細書における特定非天然アミノ酸の列挙は必ずしも本発明を限定するとみなすべきではない。例えば直交成分を含む翻訳系を使用してin vivoコードすることにより多様な非天然アミノ酸が蛋白質に組込まれている。参考のために、例えばLiu,et al.(2007)“Genetic incorporation of unnatural amino acidsinto proteins in mammalian cells”Nat Methods 4:239−244;Wang,et al.(2006)“Expanding the genetic code”Annu Rev Biophys Biomol Struct 35:225−249;Xie & Schultz(2006)“A chemical toolkit for proteins−an expanded genetic code”Nat Rev Mol Cell Biol 7:775−782;Wang and Schultz“Expanding the Genetic Code,”Angewandte Chemie Int.Ed,44(1):34−66(2005)及びChin,et al.(2003)“An expanded eukaryotic genetic code”Science 301:964−967参照。] [0132] 更に、本発明の各種態様では、例えばサプレッサーtRNAを所望の非天然アミノ酸で化学的にアシル化し、免疫原生合成に対応することが可能なin vitro抽出液に添加する生合成法を使用して非天然アミノ酸を免疫原にin vitro組込むことができる。このようなin vitro合成法に関する記載については、例えばV.W.Cornish,D.Mendel and P.G.Schultz,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,1995,34:621(1995);C.J.Noren,S.J.Anthony−Cahill,M.C.Griffith,P.G.Schultz,“A general method for site−specific incorporation of unnatural amino acidsinto proteins,”Science 244 182−188(1989);及びJ.D.Bain,C.G.Glabe,T.A.Dix,A.R.Chamberlin,E.S.Diala,“Biosynthetic site−specific incorporation of a non−natural amino acid into a polypeptide,”J.Am.Chem.Soc.111 8013−8014(1989)参照。利用可能な合成ペプチド化学(又はこのような方法により天然アミノ酸を非天然アミノ酸に変換することもできる)、又は翻訳後プロセシングにより、天然生産又は合成生産された蛋白質に非天然アミノ酸を付加することもできる。しかし、この場合も当然のことながら、このような翻訳後修飾と化学修飾は一般に分子の合成中に1個以上の非天然アミノ酸の組込み(例えば直交翻訳、固相合成法等の直接組込み)との併用又は追加使用として実施する。従って、アミノ酸の翻訳後付加又は化学修飾は実施するとしても、一般に、分子の合成中に付加された非天然アミノ酸を既にもっている分子のみに実施する。免疫原への非天然アミノ酸の非直交組込みに関するその他の情報については以下に記載する。] [0133] αアミノ酸の一般構造は式I: により表される。] [0134] 非天然アミノ酸は一般に式Iをもつ任意構造であり、式中、R基は20種類の天然アミノ酸で使用されている以外の任意置換基である。20種類の天然アミノ酸の構造については、例えばL.Stryer著Biochemistry,第3版,1988,Freeman and Company,New York参照。なお、例えば免疫応答を強化するために使用する本発明の非天然アミノ酸は上記20種類のαアミノ酸以外の天然化合物でもよい。] [0135] 本発明で使用する非天然アミノ酸は一般に側鎖が天然アミノ酸と異なるので、天然蛋白質と同様に他のアミノ酸(例えば天然又は非天然アミノ酸)とアミド結合を形成する。一方、非天然アミノ酸は天然アミノ酸と異なる側鎖基をもつ。] [0136] 非天然アミノ酸において、例えば、式IにおけるRは場合によりアルキル、アリール、アシル、ヒドラジン、シアノ、ハロ、ヒドラジド、アルケニル、エーテル、硼酸、ボロン酸、ホスホ、ホスホノ、ホスフィン、エノン、イミン、エステル、ヒドロキシルアミン、アミン基等又はその任意組合せを含む。他の該当非天然アミノ酸としては限定されないが、光架橋基をもつアミノ酸、スピン標識アミノ酸、蛍光アミノ酸、金属結合性アミノ酸、金属含有アミノ酸、放射性アミノ酸、新規官能基をもつアミノ酸、他の分子と共有又は非共有的に相互作用するアミノ酸、フォトケージド及び/又は光異性化可能なアミノ酸、ビオチン又はビオチン類似体を含有するアミノ酸、ケト含有アミノ酸、グリコシル化アミノ酸、アミノ酸側鎖と結合した糖部分、ポリエチレングリコール又はポリエーテルを含むアミノ酸、重原子置換アミノ酸、化学分解性又は光分解性アミノ酸、天然アミノ酸に対して延長側鎖(例えばポリエーテル又は例えば約5もしくは約10炭素長を上回る長鎖炭化水素等)をもつアミノ酸、炭素結合糖含有アミノ酸、アミノチオ酸含有アミノ酸、並びに1個以上の毒性部分を含むアミノ酸が挙げられる。] [0137] 別の側面において、本発明は下式IV: により表される一般構造をもつ非天然アミノ酸を利用することができる。] [0138] この構造をもつ非天然アミノ酸は一般にR1が20種類の天然アミノ酸の1種(例えば、チロシン又はフェニルアラニン)で使用される置換基であり、R2がR2−R1として一緒になって20種類の標準天然アミノ酸のいずれかの側鎖以外のものとなるような置換基である任意構造である。従って、この種の非天然アミノ酸は天然アミノ酸誘導体とみなすことができる。] [0139] 非天然アミノ酸は場合により例えば式II及びIII: の構造により表されるような修飾主鎖構造も含むことができ、上記式中、Zは一般にOH、NH2、SH、NH−R’又はS−R’を含み、XとYは同一でも異なっていてもよく、一般にS又はOであり、RとR’は場合により同一又は異なり、一般にH以外の任意置換基である(R’がHである場合には、RはL配置をとる)。例えば、本発明の非天然アミノ酸は場合により式II及びIIIにより示すようにアミノ基又はカルボキシル基に置換を含むことができる。この種の非天然アミノ酸としては限定されないが、例えば20種類の標準天然アミノ酸に対応する側鎖又は非天然側鎖をもつα−ヒドロキシ酸、α−チオ酸、α−アミノチオカルボキシレートが挙げられる。更に、α炭素における置換は場合によりL、D又はα,α−ジ置換アミノ酸(例えばD−グルタミン酸、D−アラニン、D−メチル−O−チロシン、アミノ酪酸等)を含む。他の代替構造としては環状アミノ酸(例えばプロリン類似体や、3、4、6、7、8及び9員環プロリン類似体)、β及びγアミノ酸(例えば置換β−アラニン及びγ−アミノ酪酸)が挙げられる。] [0140] 所定側面において、本発明はL体の非天然アミノ酸を利用する。しかし、本発明はL体の非天然アミノ酸の使用に限定されるものではない。これらの非天然アミノ酸のD体も本発明で利用できると考えられる。] [0141] 本発明の各種態様は、更に、パラ置換チロシン、オルト置換チロシン、及びメタ置換チロシン等のチロシン類似体を含むことができ、置換チロシンはアルキニル基、アセチル基、ベンゾイル基、アミノ基、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、チオール基、カルボキシ基、イソプロピル基、メチル基、C6−C20直鎖又は分岐鎖炭化水素、飽和又は不飽和炭化水素、O−メチル基、ポリエーテル基、ニトロ基等を含む。更に、多置換アリール環も考えられる。本発明のグルタミン類似体としては限定されないが、α−ヒドロキシ誘導体、γ置換誘導体、環状誘導体及びアミド置換グルタミン誘導体が挙げられる。フェニルアラニン類似体の例としては限定されないが、パラ置換フェニルアラニン、オルト置換フェニルアラニン、及びメタ置換フェニルアラニンが挙げられ、置換基はアルキニル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、メチル基、アリル基、アルデヒド、ニトロ、チオール基又はケト基等を含む。非天然アミノ酸の特定例としては限定されないが、p−エチルチオカルボニル−L−フェニルアラニン、p−(3−オキソブタノイル)−L−フェニルアラニン、1,5−ダンシルアラニン、7−アミノクマリンアミノ酸、7−ヒドロキシクマリンアミノ酸、ニトロベンジルセリン、O−(2−ニトロベンジル)−L−チロシン、p−カルボキシメチル−L−フェニルアラニン、p−シアノ−L−フェニルアラニン、m−シアノ−L−フェニルアラニン、ビフェニルアラニン、3−アミノ−L−チロシン、ビピリジルアラニン、p−(2−アミノ−1−ヒドロキシエチル)−L−フェニルアラニン、p−イソプロピルチオカルボニル−L−フェニルアラニン、3−ニトロ−L−チロシン及びp−ニトロ−L−フェニルアラニンが挙げられる。更に、p−プロパルギルオキシフェニルアラニン、3,4−ジヒドロキシ−L−フェニルアラニン(DHP)、3,4,6−トリヒドロキシ−L−フェニルアラニン、3,4,5−トリヒドロキシ−L−フェニルアラニン、4−ニトロフェニルアラニン、p−アセチル−L−フェニルアラニン、O−メチル−L−チロシン、L−3−(2−ナフチル)アラニン、3−メチルフェニルアラニン、O−4−アリル−L−チロシン、4−プロピル−L−チロシン、3−ニトロチロシン、3−チオールチロシン、トリ−O−アセチル−GlcNAcβ−セリン、L−ドーパ、フッ素化フェニルアラニン、イソプロピル−L−フェニルアラニン、p−アジド−L−フェニルアラニン、p−アシル−L−フェニルアラニン、p−ベンゾイル−L−フェニルアラニン、L−ホスホセリン、ホスホノセリン、ホスホノチロシン、p−ヨードフェニルアラニン、p−ブロモフェニルアラニン、p−アミノ−L−フェニルアラニン、及びイソプロピル−L−フェニルアラニン等が挙げられる。本発明の各種態様に含むことができる他の非天然アミノ酸としては、例えばp−ニトロフェニルアラニン、o−ニトロフェニルアラニン、m−ニトロフェニルアラニン、p−ボロニルPhe、o−ボロニルPhe、m−ボロニルPhe、p−アミノPhe、o−アミノPhe、m−アミノPhe、p−アシルPhe、o−アシルPhe、m−アシルPhe、p−OMePhe、o−OMePhe、m−OMePhe、p−スルホPhe、o−スルホPhe、m−スルホPhe、5−ニトロHis、3−ニトロTyr、2−ニトロTyr、ニトロ置換Leu、ニトロ置換His、ニトロ置換Ile、ニトロ置換Trp、2−ニトロTrp、4−ニトロTrp、5−ニトロTrp、6−ニトロTrp、7−ニトロTrp、3−アミノチロシン、2−アミノチロシン、O−スルホチロシン、2−スルホオキシフェニルアラニン、3−スルホオキシオキシフェニルアラニン又はp−カルボキシフェニルアラニン、o−カルボキシフェニルアラニン、及びm−カルボキシフェニルアラニンが挙げられる。更に他の態様は、脂肪族、アリール又は複素環で置換されたボロン酸、p−ボロノフェニルアラニン、o−ボロノフェニルアラニン、又はm−ボロノフェニルアラニン等の非天然アミノ酸を含むことができる。本発明の各種態様において、非天然免疫原はグリコシル化、ニトロアリール修飾、硝酸化、アルキル化、アセチル化、酸化、硫酸化、又はリン酸化された(例えば翻訳後修飾以外の方法又は化学修飾以外の方法によりグリコシル化、ニトロアリール修飾、硝酸化、アルキル化、アセチル化、酸化、硫酸化、又はリン酸化された)20種類の天然に存在する標準アミノ酸の1種以上を含む。直交翻訳系を使用して組込むことができる各種非天然アミノ酸の構造は公知である。各々その開示内容全体を本明細書に援用する本明細書に引用する参考文献参照。] [0142] 非天然アミノ酸の化学的合成 上記非天然アミノ酸の多くは例えばSigma(米国)やAldrich(Milwaukee,WI,米国)から市販されている。市販されていないものは場合により各種刊行物に記載されている方法や当業者に公知の標準方法を使用して合成される。有機合成技術については、例えばFessendonとFessendon著Organic Chemistry(1982,第2版,Willard Grant Press,Boston Mass.);March著Advanced Organic Chemistry(第3版,1985,Wiley and Sons,New York);及びCareyとSundberg著Advanced Organic Chemistry(第3版,Parts A and B,1990,Plenum Press,New York)参照。非天然アミノ酸の合成について記載しているその他の刊行物としては、例えばWO2002/085923、発明の名称「非天然アミノ酸のインビボ組込み(In Vivo Incorporation of Unnatural Amino Acids)」;Matsoukas et al.,(1995)J.Med.Chem.,38,4660−4669;King and Kidd,(1949)“A New Synthesis of Glutamine and of γ−Dipeptides of Glutamic Acid from Phthylated Intermediates,”J.Chem.Soc.,3315−3319;Friedman and Chatterrji(1959)“Synthesis of Derivatives of Glutamine as Model Substrates for Anti−Tumor Agents,”J.Am.Chem.Soc.81,3750−3752;Craig et al.,(1988)“Absolute Configuration of the Enantiomers of 7−Chloro−4[[4−(diethylamino)−1−methylbutyl]amino]quinoline(Chloroquine),”J.Org.Chem.53,1167−1170;Azoulay,et al.(1991)“Glutamine analogues as Potential Antimalarials,”Eur.J.Med.Chem.26,201−5;Koskinen and Rapoport(1989)“Synthesis of 4−Substituted Prolines as Conformationally Constrained Amino Acid Analogues,”J.Org.Chem.54,1859−1866;Christie and Rapoport(1985)“Synthesis of Optically Pure Pipecolates from L−Asparagine.Application to the Total Synthesis of(+)−Apovincamine through Amino Acid Decarbonylation and Iminium Ion Cyclization,”J.Org.Chem.1989:1859−1866;Barton,et al.,(1987)“Synthesis of Novel a−Amino−Acids and Derivatives Using Radical Chemistry:Synthesis of L−and D−a−Amino−Adipic Acids,L−a−aminopimelic Acid and Appropriate Unsaturated Derivatives,”Tetrahedron Lett.43:4297−4308;及びSubasinghe,et al.,(1992)“Quisqualic acid analogues:synthesis of beta−heterocyclic 2−aminopropanoic acid derivatives and their activity at a novel quisqualate−sensitized site,”J.Med.Chem.35:4602−7が挙げられる。国際公開WO2004/058946、発明の名称「蛋白質アレー(PROTEIN ARRAYS)」(出願日2003年12月22日)も参照。] [0143] 非天然アミノ酸の細胞取込み 細胞による非天然アミノ酸取込みは例えば遺伝的にコードする直交対(セレクターコドンを認識するOtRNAに負荷するORS)により免疫原に組込むように非天然アミノ酸を設計及び選択する場合に一般に考慮される問題の1つである。例えば、αアミノ酸は電荷密度が高いため、取込みにくいと思われる。天然アミノ酸は異なる程度のアミノ酸特異性を示すことが多い一連の蛋白質輸送システムにより細胞に取込まれる。どの非天然アミノ酸が取り込まれるかを調べる迅速なスクリーニングを実施することができる。例えば国際公開WO2004/058946、発明の名称「蛋白質アレー(PROTEIN ARRAYS)」(出願日2003年12月22日);及びLiu and Schultz(1999)“Progress toward the evolution of an organism with an expanded genetic code”,PNAS 96:4780−4785における毒性アッセイ参照。取込みは種々のアッセイで容易に分析されるが、細胞取込み経路に利用可能な非天然アミノ酸を設計する代替方法は、アミノ酸をin vivo生産する生合成経路を提供する方法である。] [0144] 非天然アミノ酸の生合成 細胞にはアミノ酸と他の化合物を生産するために多数の生合成経路が元々存在している。特定非天然アミノ酸の生合成法は自然界(例えば細胞中)には存在しないと思われるが、本発明の各種態様はこのような方法を提供する。例えば、新規酵素を付加するか又は既存宿主細胞経路を改変することにより、場合により宿主細胞で非天然アミノ酸の生合成経路を作製する。付加する新規酵素は場合により天然酵素又は人工的に進化させた酵素である。例えば、(WO2002/085923,前出に記載されているような)p−アミノフェニルアラニンの生合成は他の生物に由来する公知酵素の組合せの付加に依存している。これらの酵素の遺伝子はこれらの遺伝子を含むプラスミドで細胞を形質転換することにより細胞に導入することができる。これらの遺伝子は細胞で発現されると、所望化合物を合成するための酵素経路を提供する。場合により付加される酵素種の例は例えばGenbankに登録されている。人工的に進化させた酵素も場合により同様に細胞に付加する。このように、非天然アミノ酸を生産するように細胞機構と細胞資源を操作する。] [0145] 実際に、生合成経路で使用する新規酵素を生産するため又は非天然アミノを生産するように既存経路をin vitroもしくはin vivoで進化させるためには種々の方法の任意のものを使用することができる。非天然アミノ酸を生産するため(又は、実際に新規基質特異性もしくは他の該当活性をもつようにシンテターゼを進化させるため)には、酵素及び他の生合成経路成分を進化させる方法として利用可能な多数の方法を本発明に適用することができる。例えば、非天然アミノ酸を生産(又は新規シンテターゼを生産)するように新規酵素及び/又は前記酵素の経路をin vitro又はin vivoで開発するためには、場合によりDNAシャフリングを使用する。例えばStemmer(1994)“Rapid evolution of a protein in vitro by DNA shuffling,”Nature 370(4):389−391;及びStemmer(1994)“DNA shuffling by random fragmentation and reassembly:In vitro recombination for molecular evolution,”Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91:10747−10751参照。関連アプローチは所望特性をもつ酵素を迅速に進化させるために関連(例えば相同)遺伝子のファミリーをシャフリングする。このような「ファミリー遺伝子シャフリング」法の1例はCrameri,et al.,(1998)“DNA shuffling of a family of genes from diverse species accelerates directed evolution”Nature,391(6664):288−291に記載されている。例えばOstermeier,et al.,(1999)“A combinatorial approach to hybrid enzymes independent of DNA homology”Nature Biotech 17:1205に記載されているような「ハイブリッド酵素作製用インクリメンタルトランケーション(incremental truncation for the creation of hybrid enzymes:ITCHY)」と呼ばれるDNA組換え法を使用して(生合成経路成分であるか又はシンテターゼであるかを問わずに)新規酵素を作製することもできる。このアプローチは1種以上のin vitro又はin vivo組換え法の基質として使用することができる酵素又は他の経路変異体のライブラリーを作製するために使用することもできる。Ostermeier,et al.(1999)“Combinatorial Protein Engineering by Incremental Truncation,”Proc.Natl.Acad.Sci.USA,96:3562−67,及びOstermeier,et al.(1999),“Incremental Truncation as a Strategy in the Engineering of Novel Biocatalysts,”Biological and Medicinal Chemistry,7:2139−44も参照。本発明で場合により使用される別のアプローチは例えば非天然アミノ酸(又は新規シンテターゼ)の生産に関連する生合成反応を触媒する能力について選択する酵素又は他の経路変異体のライブラリーを作製するために指数的集団突然変異誘発法を使用する。このアプローチでは、該当配列中の小群の残基を並行してランダムに突然変異させ、機能的蛋白質をもたらすアミノ酸を各変異位置で同定する。非天然アミノ酸(又は新規シンテターゼ)の生産用新規酵素を作製するように本発明に応用することができるこのような方法の例はDelegrave and Youvan(1993)Biotechnology Research 11:1548−1552に記載されている。更に別のアプローチでは、例えばArkin and Youvan(1992)“Optimizing nucleotide mixtures to encode specific subsets of amino acidsfor semi−random mutagenesis”Biotechnology 10:297−300;又はReidhaar−Olson,et al.(1991)“Random mutagenesis of protein sequences using oligonucleotide cassettes”Methods Enzymol.208:564−86の一般突然変異誘発法を使用することにより、酵素及び/又は経路成分改変にドープ又は縮重オリゴヌクレオチドを使用するランダム又は半ランダム突然変異誘発法を使用することができる。ポリヌクレオチドリアセンブリと部位飽和突然変異誘発を使用する更に別のアプローチ(「非確率論的」突然変異誘発法と呼ぶことが多い)を使用すると、酵素及び/又は経路成分を作製した後に、(例えば非天然アミノ酸のin vivo生産のための)1種以上のシンテターゼ又は生合成経路機能を実施する能力についてスクリーニングすることができる。例えばShortのWO00/46344「遺伝子ワクチン及び酵素の非確率論的作製(NON−STOCHASTIC GENERATION OF GENETIC VACCINESAND ENZYMES)」参照。]
权利要求:
請求項1 標的部分に対する免疫応答を対象で誘発又は強化するための方法であって、1個以上の非天然アミノ酸を含む非天然免疫原を準備する段階と;非天然免疫原を対象に投与し、非天然免疫原に対する抗体でありながら標的部分に対して交差反応性である1種以上の抗体を対象に産生させる段階を含み;それにより、標的部分に対する免疫応答を誘発又は強化する前記方法。 請求項2 免疫応答がB細胞介在性応答及び/又はT細胞介在性応答を含む請求項1に記載の方法。 請求項3 非天然免疫原を準備する段階が直交翻訳系で非天然免疫原を作製する段階を含む請求項1に記載の方法。 請求項4 非天然免疫原を準備する段階がinvitro翻訳系で非天然免疫原を作製する段階を含む請求項1に記載の方法。 請求項5 非天然免疫原が20種類の天然に存在する標準アミノ酸の1種以外の非天然アミノ酸を含む請求項1に記載の方法。 請求項6 免疫原の20種類の天然に存在する標準アミノ酸の1種の化学修飾以外の方法で非天然免疫原を作製する請求項1に記載の方法。 請求項7 免疫原の20種類の天然に存在する標準アミノ酸の1種の翻訳後修飾以外の方法で非天然免疫原を作製する請求項1に記載の方法。 請求項8 対象がヒト、サル、マウス、ラット、ブタ、ウシ、ニワトリ、小型鳥類、大型鳥類、爬虫類、及び両生類から構成される群から選択される請求項1に記載の方法。 請求項9 標的部分がポリペプチドを含む請求項1に記載の方法。 請求項10 標的部分がポリペプチド及び/又は糖質を含む請求項1に記載の方法。 請求項11 標的部分が対象の自己部分である請求項1に記載の方法。 請求項12 標的部分が疾患関連部分である請求項11に記載の方法。 請求項13 自己部分が自己免疫疾患に関連する自己抗原、腫瘍関連抗原、アルツハイマー病関連抗原、アミロイドβ40、アミロイドβ42、乳癌関連抗原、卵巣癌関連抗原、前立腺癌関連抗原、MAGE、BAGE、RAGE、NY−ESO、家系特異的腫瘍関連抗原、メラノサイト−メラノーマ家系抗原、MART−1/Melan−A、チロシナーゼもしくはチロシナーゼ関連蛋白質、チロシナーゼ関連蛋白質2、PSMA、PSA、突然変異ras、再構成bcr/ab1、Her2/neu、突然変異もしくは野生型p53、チトクロームP4501B1、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ−Vの異常発現イントロン配列、CA19−9、p53、OCAA、HOXB7、Ca125、PSA、PSMA、STEAP、PCTA−1、Ca15−3、EGF、EGFR、HER−1、CXCR4、G蛋白質共役型受容体(GCPR)、又はCA27−29の1種以上である請求項12に記載の方法。 請求項14 標的部分が対象の自己部分以外のものである請求項1に記載の方法。 請求項15 標的部分が細菌、ウイルス、真菌、マイコプラズマ、原生動物、蠕虫、又はプリオンに由来する請求項14に記載の方法。 請求項16 標的部分が細菌抗原、ウイルス抗原、真菌抗原、マイコプラズマ抗原、原生動物抗原、蠕虫抗原、プリオン抗原、HIV抗原、HIVgp120、HIVgp41、HIVgag、HIVpol、HIVenv、HIVtat、HIVnef、HIVrev、カリシウイルスカブシド抗原、B型肝炎コア抗原、B型肝炎表面抗原、デルタ肝炎原因物質、単純ヘルペスウイルス糖蛋白質、水痘帯状疱疹ウイルス糖蛋白質、インフルエンザウイルスヘマグルチニン、インフルエンザウイルスノイラミニダーゼ、インフルエンザウイルス核蛋白質、HPVカブシド蛋白質、バラインフルエンザウイルスヘマグルチニン/ノイラミニダーゼ、ポリオウイルスカブシドポリペプチド、HepA抗原、ワクシニアウイルスポリペプチド、狂犬病ウイルス糖蛋白質G、B.burgdorferiOspA、b型インフルエンザ桿菌外膜蛋白質、Mycobacteriumlipoarabinomannan、マイコバクテリウムmAPG、化膿連鎖球菌M蛋白質、肺炎連鎖球菌莢膜多糖体、ペスト菌F1、ペスト菌V抗原、熱帯熱マラリア原虫スポロゾイト周囲蛋白質(PfCSP)、熱帯熱マラリア原虫スポロゾイト表面蛋白質2(PfSSP2)、肝細胞期抗原1の熱帯熱マラリア原虫カルボキシル末端(PfLSA1c−term)、熱帯熱マラリア原虫輸送蛋白質1(PfExp−1)、Pfs48/45、Pfs28、Pfs25、又はPfs230の1種以上である請求項15に記載の方法。 請求項17 標的部分が細菌、ウイルス、真菌、マイコプラズマ、原生動物、蠕虫、プリオン、アクチノミセス属(Actinomyces)、バシラス属(Bacillus)、バクテロイデス属(Bacteroides)、ボルデテラ属(Bordetella)、バルトネラ属(Bartonella)、ボレリア属(Borrelia)、ブルセラ属(Brucella)、カンピロバクター属(Campylobacter)、キャプノサイトファーガ属(Capnocytophaga)、クラミジア属(Chlamydia)、クロストリジウム属(Clostridium)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、コクシエラ属(Coxiella)、デルマトフィルス属(Dermatophilus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、エーリキア属(Ehrlichia)、エシェリキア属(Escherichia)、フランシセラ属(Francisella)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、ヘモバルトネラ属(Haemobartonella)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、ヘリコバクター属(Helicobacter)、クレブシエラ属(Klebsiella)、L型菌、レプトスピラ属(Leptospira)、リステリア属(Listeria)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)、マイコプラズマ属(Mycoplasma)、ナイセリア属(Neisseria)、ネオリケッチア属(Neorickettsia)、ノカルジア属(Nocardia)、パスツレラ属(Pasteurella)、ペプトコッカス属(Peptococcus)、ペプトストレプトコッカス属(Peptostreptococcus)、肺炎球菌(Pneumococcus)、プロテウス属(Proteus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、リケッチア属(Rickettsia)、ロシャリメア属(Rochalimaea)、サルモネラ属(Salmonella)、シゲラ属(Shigella)、ブドウ球菌属(Staphylococcus)、連鎖球菌属(Streptococcus)、トレポネーマ属(Treponema)、エルシニア属(Yersinia)、アデノウイルス、アルファウイルス、カリシウイルス、コロナウイルス、CMV、ジステンパーウイルス、エボラウイルス、エンテロウイルス、EBV、フラビウイルス、C型肝炎ウイルス、ヘパドナウイルス、B型肝炎ウイルス、デルタ肝炎原因物質、E型もしくはF型肝炎ウイルス、GBV−C、ヘルペスウイルス、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、免疫不全ウイルス、HIV、伝染性腹膜炎ウイルス、インフルエンザウイルス、A型インフルエンザウイルス、白血病ウイルスマールブルグウイルス、オルトミクソウイルス、パピローマウイルス、HPV、パラインフルエンザウイルス、パラミクソウイルス、RSV、パルボウイルス、ペスチウイルス、ピコルナウイルス、ポリオウイルス、ポックスウイルス、ワクシニアウイルス、狂犬病ウイルス、レオウイルス、レトロウイルス、ロタウイルス、アブシジア属(Absidia)、アクレモニウム属(Acremonium)、アルタナリア属(Alternaria)、アスペルギルス属(Aspergillus)、バシジオボラス属(Basidiobolus)、ビポラリス属(Bipolaris)、ブラストミセス属(Blastomyces)、カンジダ属(Candida)、コクシジオイデス属(Coccidioides)、コニディオボラス属(Conidiobolus)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、カーブラリア属(Curvalaria)、エピデルモフィトン属(Epidermophyton)、エクソフィアラ属(Exophiala)、ゲオトリクム属(Geotrichum)、ヒストプラズマ属(Histoplasma)、マズレラ属(Madurella)、マラセチア属(Malassezia)、ミクロスポラム属(Microsporum)、モニリエラ属(Moniliella)、モルチエレラ属(Mortierella)、ムコール属(Mucor)、ペシロミセス属(Paecilomyces)、ペニシリウム属(Penicillium)、フィアレモニウム属(Phialemonium)、フィアロフォラ属(Phialophora)、プロトテカ属(Prototheca)、シュードアレシェリア属(Pseudallescheria)、シュードミクロドキウム属(Pseudomicrodochium)、ピシウム属(Pythium)、リノスポリジウム属(Rhinosporidium)、リゾプス属(Rhizopus)、スコレコバシディウム属(Scolecobasidium)、スポロトリクス属(Sporothrix)、ステムフィリウム属(Stemphylium)、トリコフィトン属(Trichophyton)、トリコスポロン属(Trichosporon)、キシロハイファ属(Xylohypha)、バベシア属(Babesia)、バランチジウム属(Balantidium)、ベスノイチア属(Besnoitia)、クリプトスポリジウム属(Cryptosporidium)、エイメリア属(Eimeria)、エンセファリトゾーン属(Encephalitozoon)、エントアメーバ属(Entamoeba)、ジアルジア属(Giardia)、ハモンディア属(Hammondia)、ヘパトゾーン属(Hepatozoon)、イソスポラ属(Isospora)、リーシュマニア属(Leishmania)、ミクロスポリジア属(Microsporidia)、ネオスポラ属(Neospora)、ノゼマ属(Nosema)、ペンタトリコモナス属(Pentatrichomonas)、プラスモジウム属(Plasmodium)、熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)、ニューモシスチス属(Pneumocystis)、サルコシスチス属(Sarcocystis)、住血吸虫属(Schistosoma)、タイレリア属(Theileria)、トキソプラズマ属(Toxoplasma)、トリパノソーマ属(Trypanosoma)、アカントケイロネマ属(Acanthocheilonema)、アエルロストロンギルス属(Aelurostrongylus)、アンシロストーマ属(Ancylostoma)、アンギオストロンギルス属(Angiostrongylus)、アスカリス属(Ascaris)、ブルギア属(Brugia)、ブノストムーム属(Bunostomum)、キャピラリア属(Capillaria)、チャベルチア属(Chabertia)、クーペリア属(Cooperia)、クレノソーマ属(Crenosoma)、ジクチオカウルス属(Dictyocaulus)、ジオクトフィーマ属(Dioctophyme)、ジペタロネーマ属(Dipetalonema)、裂頭条虫属(Diphyllobothrium)、ジピリジウム属(Diplydium)、ディロフィラリア属(Dirofilaria)、ドラクンクルス属(Dracunculus)、エンテロビウス属(Enterobius)、フィラロイデス属(Filaroides)、ヘモンクス属(Haemonchus)、ラゴキラスカリス属(Lagochilascaris)、ロア糸状虫属ポリペプチド、マンソネラ属(Mansonella)、ムエレリウス属(Muellerius)、ナノフィエツス属(Nanophyetus)、ネカトール属(Necator)、ネマトジルス属(Nematodirus)、エソファゴストム属(Oesophagostomum)、オンコセルカ属(Onchocerca)、オピストルキス属(Opisthorchis)、オステルタギア属(Ostertagia)、パラフィラリア属(Parafilaria)、パラゴニムス属(Paragonimus)、パラスカリス属(Parascaris)、フィサロプテラ属(Physaloptera)、プロトストロンギルス属(Protostrongylus)、エノコログサ属(Setaria)、スピロセルカ属(Spirocerca)、スピロメトラ属(Spirometra)、ステファノフィラリア属(Stephanofilaria)、ストロンギロイデス属(Strongyloides)、ストロンギルス属(Strongylus)、テラジア属(Thelazia)、トキサスカリス属(Toxascaris)、トキソカラ属(Toxocara)、トリキネラ属(Trichinella)、トリコストロンギルス属(Trichostrongylus)、トリチュリス属(Trichuris)、ウンシナリア属(Uncinaria)、又はウケレリア属(Wuchereria)の1種以上に由来する請求項15に記載の方法。 請求項18 標的部分が第1のアミノ酸配列を含み、非天然免疫原が第2のアミノ酸配列を含み、前記第2の配列は第1の配列の1個以上の天然アミノ酸が第2の配列では1個以上の非天然アミノ酸で置換されているという点を除き、第1のアミノ酸配列と同一である請求項1に記載の方法。 請求項19 標的部分が第1のアミノ酸配列を含み、非天然免疫原が第2のアミノ酸配列を含み、前記第2の配列は第2のアミノ酸配列が更に1個以上の付加的な非天然アミノ酸を含むという点を除き、第1のアミノ酸配列と同一である請求項1に記載の方法。 請求項20 1種以上の交差反応性抗体が非天然免疫原上の対応するエピトープに対して同一の配列を含む標的部分上のエピトープに特異的である請求項1に記載の方法。 請求項21 1種以上の交差反応性抗体が非天然免疫原上の対応するエピトープに対して異なる配列を含む標的部分上のエピトープに特異的である請求項1に記載の方法。 請求項22 非天然免疫原上の対応するエピトープ上の異なる配列が1個以上の非天然アミノ酸を含む請求項21に記載の方法。 請求項23 1個以上の非天然アミノ酸が抗体に接触可能である請求項1に記載の方法。 請求項24 非天然免疫原が標的部分と実質的に同様の構造を含む請求項1に記載の方法。 請求項25 非天然免疫原が標的部分と実質的に同様の三次及び/又は四次構造を含む請求項1に記載の方法。 請求項26 非天然アミノ酸が20種類の標準アミノ酸の1種以外のものであり、非天然アミノ酸が下式:(式中、Rは20種類の標準天然アミノ酸のいずれかで使用される側鎖以外の任意置換基であり;R1は20種類の標準天然アミノ酸の1種で使用される任意置換基であり;R2はR2−R1が一緒になって20種類の標準天然アミノ酸のいずれかの側鎖以外のものとなるような任意置換基であり;ZはOH、NH2、SH、NH−R’又はS−R’であり;R’はH以外の任意置換基であり;X及びYは各々S又はOである)の構造を含む請求項1に記載の方法。 請求項27 非天然アミノ酸がp−ニトロフェニルアラニン、o−ニトロフェニルアラニン、m−ニトロフェニルアラニン、p−ボロニルPhe、o−ボロニルPhe、m−ボロニルPhe、p−アミノPhe、o−アミノPhe、m−アミノPhe、p−アシルPhe、o−アシルPhe、m−アシルPhe、p−OMePhe、o−OMePhe、m−OMePhe、p−スルホPhe、o−スルホPhe、m−スルホPhe、5−ニトロHis、3−ニトロTyr、2−ニトロTyr、ニトロ置換Leu、ニトロ置換His、ニトロ置換Ile、ニトロ置換Trp、2−ニトロTrp、4−ニトロTrp、5−ニトロTrp、6−ニトロTrp、7−ニトロTrp、3−アミノチロシン、2−アミノチロシン、O−スルホチロシン、2−スルホオキシフェニルアラニン、3−スルホオキシオキシフェニルアラニン又はp−カルボキシフェニルアラニン、o−カルボキシフェニルアラニン、及びm−カルボキシフェニルアラニンから構成される群から選択される請求項1に記載の方法。 請求項28 標的部分がTNFαである請求項12に記載の方法。 請求項29 対象がマウスであり、標的部分がmTNFαであり、免疫原が非天然mTNFαである請求項28に記載の方法。 請求項30 非天然mTNFαがpNO2Phe86−mTNFαを含む請求項29に記載の方法。 請求項31 非天然mTNFαがpNO2Phe11−mTNFα、pNO2Phe19−mTNFα、pNO2Phe21−mTNFα、pNO2Phe42−mTNFα、pNO2Phe49−mTNFα、pNO2Phe104−mTNFα、及びpNO2Phe113−mTNFαから構成される群から選択される請求項29に記載の方法。 請求項32 対象がヒトであり、標的部分がhTNFαであり、免疫原が非天然hTNFαである請求項28に記載の方法。 請求項33 非天然hTNFαがpNO2Phe11−hTNFα、pNO2Phe19−hTNFα、pNO2Phe21−hTNFα、pNO2Phe42−hTNFα、pNO2Phe49−hTNFα、pNO2Phe87−hTNFα、pNO2Phe105−hTNFα、及びpNO2Phe114−hTNFαから構成される群から選択される請求項32に記載の方法。 請求項34 対象における疾患状態を予防的又は治療的に処置する方法であって、前記方法が非天然免疫原を対象に投与する段階を含み、前記免疫原が1個以上の非天然アミノ酸を含み、前記非天然免疫原が疾患状態に関連する標的部分であって対象の体内に存在する1個以上の標的部分又は対象の体内に存在することが可能な1個以上の標的部分に対して交差反応性の抗体の産生を対象の体内で刺激する前記方法。 請求項35 対象における疾患状態を予防的又は治療的に処置する方法であって、前記方法が、1個以上の標的部分に対する抗体を作製する段階として、1個以上の非天然アミノ酸を含む非天然免疫原に対する抗体でありながら標的部分に交差反応性の抗体を作製する段階と;抗体を対象に投与する段階を含む前記方法。 請求項36 予防的又は治療的処置が対象にB細胞介在性応答及び/又はT細胞介在性応答を誘起する段階を含む請求項34又は35に記載の方法。 請求項37 非天然免疫原を直交翻訳系で作製する請求項34又は35に記載の方法。 請求項38 非天然免疫原をinvitro翻訳系で作製する請求項34又は35に記載の方法。 請求項39 非天然免疫原が翻訳後修飾又は化学修飾されたアミノ酸を含まない請求項34又は35に記載の方法。 請求項40 非天然免疫原が20種類の天然に存在する標準アミノ酸の1種以外の非天然アミノ酸を含む請求項34又は35に記載の方法。 請求項41 免疫原の20種類の天然に存在する標準アミノ酸の1種の化学修飾以外の方法で非天然免疫原を作製する請求項34又は35に記載の方法。 請求項42 免疫原の20種類の天然に存在する標準アミノ酸の1種の翻訳後修飾以外の方法で非天然免疫原を作製する請求項34又は35に記載の方法。 請求項43 疾患状態が自己免疫疾患、癌、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、マイコプラズマ感染症、プリオン感染症、原生動物感染症、又は蠕虫感染症である請求項34又は35に記載の方法。 請求項44 対象がヒト、サル、マウス、ラット、ブタ、ウシ、ニワトリ、小型鳥類、大型鳥類、爬虫類、及び両生類から構成される群から選択される請求項34又は35に記載の方法。 請求項45 標的部分がポリペプチドを含む請求項34又は35に記載の方法。 請求項46 標的部分がポリペプチド及び/又は糖質を含む請求項34又は35に記載の方法。 請求項47 標的部分が対象の自己部分である請求項34又は35に記載の方法。 請求項48 標的部分が疾患関連部分である請求項34又は35に記載の方法。 請求項49 標的部分が自己免疫疾患に関連する自己抗原、腫瘍関連抗原、アルツハイマー病関連抗原、アミロイドβ40、アミロイドβ42、乳癌関連抗原、卵巣癌関連抗原、前立腺癌関連抗原、MAGE、BAGE、RAGE、NY−ESO、家系特異的腫瘍関連抗原、メラノサイト−メラノーマ家系抗原、MART−1/Melan−A、チロシナーゼもしくはチロシナーゼ関連蛋白質、チロシナーゼ関連蛋白質2、PSMA、PSA、突然変異ras、再構成bcr/ab1、Her2/neu、突然変異もしくは野生型p53、チトクロームP4501B1、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ−Vの異常発現イントロン配列、CA19−9、p53、OCAA、HOXB7、Ca125、PSA、PSMA、STEAP、PCTA−1、Ca15−3、EGF、EGFR、HER−1、CXCR4、G蛋白質共役型受容体(GCPR)、又はCA27−29の1種以上である請求項48に記載の方法。 請求項50 標的部分が対象の自己部分以外のものである請求項34又は35に記載の方法。 請求項51 標的部分が細菌、ウイルス、真菌、マイコプラズマ、原生動物、蠕虫、又はプリオンに由来する請求項50に記載の方法。 請求項52 標的部分が細菌抗原、ウイルス抗原、真菌抗原、マイコプラズマ抗原、原生動物抗原、蠕虫抗原、プリオン抗原、HIV抗原、HIVgp120、HIVgp41、HIVgag、HIVpol、HIVenv、HIVtat、HIVnef、HIVrev、カリシウイルスカブシド抗原、B型肝炎コア抗原、B型肝炎表面抗原、デルタ肝炎原因物質、単純ヘルペスウイルス糖蛋白質、水痘帯状疱疹ウイルス糖蛋白質、インフルエンザウイルスヘマグルチニン、インフルエンザウイルスノイラミニダーゼ、インフルエンザウイルス核蛋白質、HPVカブシド蛋白質、バラインフルエンザウイルスヘマグルチニン/ノイラミニダーゼ、ポリオウイルスカブシドポリペプチド、HepA抗原、ワクシニアウイルスポリペプチド、狂犬病ウイルス糖蛋白質G、B.burgdorferiOspA、b型インフルエンザ桿菌外膜蛋白質、Mycobacteriumlipoarabinomannan、マイコバクテリウムmAPG、化膿連鎖球菌M蛋白質、肺炎連鎖球菌莢膜多糖体、ペスト菌F1、ペスト菌V抗原、熱帯熱マラリア原虫スポロゾイト周囲蛋白質(PfCSP)、熱帯熱マラリア原虫スポロゾイト表面蛋白質2(PfSSP2)、肝細胞期抗原1の熱帯熱マラリア原虫カルボキシル末端(PfLSA1c−term)、熱帯熱マラリア原虫輸送蛋白質1(PfExp−1)、Pfs48/45、Pfs28、Pfs25、又はPfs230の1種以上である請求項51に記載の方法。 請求項53 標的部分が細菌、ウイルス、真菌、マイコプラズマ、原生動物、蠕虫、プリオン、アクチノミセス属(Actinomyces)、バシラス属(Bacillus)、バクテロイデス属(Bacteroides)、ボルデテラ属(Bordetella)、バルトネラ属(Bartonella)、ボレリア属(Borrelia)、ブルセラ属(Brucella)、カンピロバクター属(Campylobacter)、キャプノサイトファーガ属(Capnocytophaga)、クラミジア属(Chlamydia)、クロストリジウム属(Clostridium)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、コクシエラ属(Coxiella)、デルマトフィルス属(Dermatophilus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、エーリキア属(Ehrlichia)、エシェリキア属(Escherichia)、フランシセラ属(Francisella)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、ヘモバルトネラ属(Haemobartonella)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、ヘリコバクター属(Helicobacter)、クレブシエラ属(Klebsiella)、L型菌、レプトスピラ属(Leptospira)、リステリア属(Listeria)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)、マイコプラズマ属(Mycoplasma)、ナイセリア属(Neisseria)、ネオリケッチア属(Neorickettsia)、ノカルジア属(Nocardia)、パスツレラ属(Pasteurella)、ペプトコッカス属(Peptococcus)、ペプトストレプトコッカス属(Peptostreptococcus)、肺炎球菌(Pneumococcus)、プロテウス属(Proteus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、リケッチア属(Rickettsia)、ロシャリメア属(Rochalimaea)、サルモネラ属(Salmonella)、シゲラ属(Shigella)、ブドウ球菌属(Staphylococcus)、連鎖球菌属(Streptococcus)、トレポネーマ属(Treponema)、エルシニア属(Yersinia)、アデノウイルス、アルファウイルス、カリシウイルス、コロナウイルス、CMV、ジステンパーウイルス、エボラウイルス、エンテロウイルス、EBV、フラビウイルス、C型肝炎ウイルス、ヘパドナウイルス、B型肝炎ウイルス、デルタ肝炎原因物質、E型もしくはF型肝炎ウイルス、GBV−C、ヘルペスウイルス、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、免疫不全ウイルス、HIV、伝染性腹膜炎ウイルス、インフルエンザウイルス、A型インフルエンザウイルス、白血病ウイルスマールブルグウイルス、オルトミクソウイルス、パピローマウイルス、HPV、パラインフルエンザウイルス、パラミクソウイルス、RSV、パルボウイルス、ペスチウイルス、ピコルナウイルス、ポリオウイルス、ポックスウイルス、ワクシニアウイルス、狂犬病ウイルス、レオウイルス、レトロウイルス、ロタウイルス、アブシジア属(Absidia)、アクレモニウム属(Acremonium)、アルタナリア属(Alternaria)、アスペルギルス属(Aspergillus)、バシジオボラス属(Basidiobolus)、ビポラリス属(Bipolaris)、ブラストミセス属(Blastomyces)、カンジダ属(Candida)、コクシジオイデス属(Coccidioides)、コニディオボラス属(Conidiobolus)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、カーブラリア属(Curvalaria)、エピデルモフィトン属(Epidermophyton)、エクソフィアラ属(Exophiala)、ゲオトリクム属(Geotrichum)、ヒストプラズマ属(Histoplasma)、マズレラ属(Madurella)、マラセチア属(Malassezia)、ミクロスポラム属(Microsporum)、モニリエラ属(Moniliella)、モルチエレラ属(Mortierella)、ムコール属(Mucor)、ペシロミセス属(Paecilomyces)、ペニシリウム属(Penicillium)、フィアレモニウム属(Phialemonium)、フィアロフォラ属(Phialophora)、プロトテカ属(Prototheca)、シュードアレシェリア属(Pseudallescheria)、シュードミクロドキウム属(Pseudomicrodochium)、ピシウム属(Pythium)、リノスポリジウム属(Rhinosporidium)、リゾプス属(Rhizopus)、スコレコバシディウム属(Scolecobasidium)、スポロトリクス属(Sporothrix)、ステムフィリウム属(Stemphylium)、トリコフィトン属(Trichophyton)、トリコスポロン属(Trichosporon)、キシロハイファ属(Xylohypha)、バベシア属(Babesia)、バランチジウム属(Balantidium)、ベスノイチア属(Besnoitia)、クリプトスポリジウム属(Cryptosporidium)、エイメリア属(Eimeria)、エンセファリトゾーン属(Encephalitozoon)、エントアメーバ属(Entamoeba)、ジアルジア属(Giardia)、ハモンディア属(Hammondia)、ヘパトゾーン属(Hepatozoon)、イソスポラ属(Isospora)、リーシュマニア属(Leishmania)、ミクロスポリジア属(Microsporidia)、ネオスポラ属(Neospora)、ノゼマ属(Nosema)、ペンタトリコモナス属(Pentatrichomonas)、プラスモジウム属(Plasmodium)、熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)、ニューモシスチス属(Pneumocystis)、サルコシスチス属(Sarcocystis)、住血吸虫属(Schistosoma)、タイレリア属(Theileria)、トキソプラズマ属(Toxoplasma)、トリパノソーマ属(Trypanosoma)、アカントケイロネマ属(Acanthocheilonema)、アエルロストロンギルス属(Aelurostrongylus)、アンシロストーマ属(Ancylostoma)、アンギオストロンギルス属(Angiostrongylus)、アスカリス属(Ascaris)、ブルギア属(Brugia)、ブノストムーム属(Bunostomum)、キャピラリア属(Capillaria)、チャベルチア属(Chabertia)、クーペリア属(Cooperia)、クレノソーマ属(Crenosoma)、ジクチオカウルス属(Dictyocaulus)、ジオクトフィーマ属(Dioctophyme)、ジペタロネーマ属(Dipetalonema)、裂頭条虫属(Diphyllobothrium)、ジピリジウム属(Diplydium)、ディロフィラリア属(Dirofilaria)、ドラクンクルス属(Dracunculus)、エンテロビウス属(Enterobius)、フィラロイデス属(Filaroides)、ヘモンクス属(Haemonchus)、ラゴキラスカリス属(Lagochilascaris)、ロア糸状虫属ポリペプチド、マンソネラ属(Mansonella)、ムエレリウス属(Muellerius)、ナノフィエツス属(Nanophyetus)、ネカトール属(Necator)、ネマトジルス属(Nematodirus)、エソファゴストム属(Oesophagostomum)、オンコセルカ属(Onchocerca)、オピストルキス属(Opisthorchis)、オステルタギア属(Ostertagia)、パラフィラリア属(Parafilaria)、パラゴニムス属(Paragonimus)、パラスカリス属(Parascaris)、フィサロプテラ属(Physaloptera)、プロトストロンギルス属(Protostrongylus)、エノコログサ属(Setaria)、スピロセルカ属(Spirocerca)、スピロメトラ属(Spirometra)、ステファノフィラリア属(Stephanofilaria)、ストロンギロイデス属(Strongyloides)、ストロンギルス属(Strongylus)、テラジア属(Thelazia)、トキサスカリス属(Toxascaris)、トキソカラ属(Toxocara)、トリキネラ属(Trichinella)、トリコストロンギルス属(Trichostrongylus)、トリチュリス属(Trichuris)、ウンシナリア属(Uncinaria)、又はウケレリア属(Wuchereria)の1種以上に由来する請求項51に記載の方法。 請求項54 標的部分が第1のアミノ酸配列を含み、非天然免疫原が第2のアミノ酸配列を含み、前記第2の配列は第1の配列の1個以上の天然アミノ酸が第2の配列では1個以上の非天然アミノ酸で置換されているという点を除き、第1のアミノ酸配列と同一である請求項34又は35に記載の方法。 請求項55 標的部分が第1のアミノ酸配列を含み、非天然免疫原が第2のアミノ酸配列を含み、前記第2の配列は第2のアミノ酸配列が更に1個以上の付加的な非天然アミノ酸を含むという点を除き、第1のアミノ酸配列と同一である請求項34又は35に記載の方法。 請求項56 1種以上の交差反応性抗体が非天然免疫原上の対応するエピトープに対して同一の配列を含む標的部分上のエピトープに特異的である請求項34又は35に記載の方法。 請求項57 1種以上の交差反応性抗体が非天然免疫原上の対応するエピトープに対して異なる配列を含む標的部分上のエピトープに特異的である請求項34又は35に記載の方法。 請求項58 非天然免疫原上の対応するエピトープ上の異なる配列が1個以上の非天然アミノ酸を含む請求項57に記載の方法。 請求項59 1個以上の非天然アミノ酸が抗体に接触可能である請求項34又は35に記載の方法。 請求項60 非天然免疫原が標的部分と実質的に同様の構造を含む請求項34又は35に記載の方法。 請求項61 非天然免疫原が標的部分と実質的に同様の三次及び/又は四次構造を含む請求項60に記載の方法。 請求項62 非天然アミノ酸が20種類の標準アミノ酸の1種以外のものであり、非天然アミノ酸が下式:(式中、Rは20種類の標準天然アミノ酸のいずれかで使用される側鎖以外の任意置換基であり;R1は20種類の標準天然アミノ酸の1種で使用される任意置換基であり;R2はR2−R1が一緒になって20種類の標準天然アミノ酸のいずれかの側鎖以外のものとなるような任意置換基であり;ZはOH、NH2、SH、NH−R’又はS−R’であり;R’はH以外の任意置換基であり;X及びYは各々S又はOである)の構造を含む請求項34又は35に記載の方法。 請求項63 非天然アミノ酸がp−ニトロフェニルアラニンである請求項に記載の方法。 請求項64 非天然アミノ酸がp−ニトロフェニルアラニン、o−ニトロフェニルアラニン、m−ニトロフェニルアラニン、p−ボロニルPhe、o−ボロニルPhe、m−ボロニルPhe、p−アミノPhe、o−アミノPhe、m−アミノPhe、p−アシルPhe、o−アシルPhe、m−アシルPhe、p−OMePhe、o−OMePhe、m−OMePhe、p−スルホPhe、o−スルホPhe、m−スルホPhe、5−ニトロHis、3−ニトロTyr、2−ニトロTyr、ニトロ置換Leu、ニトロ置換His、ニトロ置換Ile、ニトロ置換Trp、2−ニトロTrp、4−ニトロTrp、5−ニトロTrp、6−ニトロTrp、7−ニトロTrp、3−アミノチロシン、2−アミノチロシン、O−スルホチロシン、2−スルホオキシフェニルアラニン、3−スルホオキシオキシフェニルアラニン又はp−カルボキシフェニルアラニン、o−カルボキシフェニルアラニン、及びm−カルボキシフェニルアラニンから構成される群から選択される請求項34又は35に記載の方法。 請求項65 標的部分がTNFαである請求項34又は35に記載の方法。 請求項66 疾患状態が内毒素ショック、脳マラリア、自己免疫疾患、多臓器不全、多発性硬化症、心機能障害、アテローム性動脈硬化症、虚血再潅流傷害、インスリン抵抗性、関節リウマチ、クローン病、炎症性腸疾患、悪液質、敗血症ショック、エイズ、移植片対宿主病、細菌感染防御性肉芽腫、成人呼吸窮迫症候群、及びシリカ肺線維症の1種以上である請求項65に記載の方法。 請求項67 対象がマウスであり、標的部分がmTNFαであり、免疫原が非天然mTNFαである請求項65に記載の方法。 請求項68 非天然mTNFαがpNO2Phe86−mTNFαを含む請求項67に記載の方法。 請求項69 非天然mTNFαがpNO2Phe11−mTNFα、pNO2Phe19−mTNFα、pNO2Phe21−mTNFα、pNO2Phe42−mTNFα、pNO2Phe49−mTNFα、pNO2Phe104−mTNFα、及びpNO2Phe113−mTNFαから構成される群から選択される請求項67に記載の方法。 請求項70 対象がヒトであり、標的部分がhTNFαであり、免疫原が非天然hTNFαである請求項65に記載の方法。 請求項71 非天然hTNFαがpNO2Phe11−hTNFα、pNO2Phe19−hTNFα、pNO2Phe21−hTNFα、pNO2Phe42−hTNFα、pNO2Phe49−hTNFα、pNO2Phe87−hTNFα、pNO2Phe105−hTNFα、及びpNO2Phe114−hTNFαから構成される群から選択される請求項70に記載の方法。 請求項72 ワクチンの製造方法であって、非天然アミノ酸を含まない抗体治療用標的部分を同定する段階と;1個以上の非天然アミノ酸を含み、対象に投与すると、対象が非天然免疫原に対する抗体でありながら標的部分に対して交差反応性の抗体を産生するように標的部分と構造的に類似する非天然免疫原を準備する段階と;非天然免疫原を1種以上の医薬的に許容可能なアジュバント、キャリヤー又は賦形剤と混合し、ワクチンを製造する段階を含む前記方法。 請求項73 非天然免疫原を準備する段階が直交翻訳系で非天然免疫原を作製する段階を含む請求項72に記載の方法。 請求項74 非天然免疫原を準備する段階がinvitro翻訳系で非天然免疫原を作製する段階を含む請求項72に記載の方法。 請求項75 非天然免疫原が20種類の天然に存在する標準アミノ酸の1種以外の非天然アミノ酸を含む請求項72に記載の方法。 請求項76 免疫原の20種類の天然に存在する標準アミノ酸の1種の化学修飾以外の方法で非天然免疫原を作製する請求項72に記載の方法。 請求項77 免疫原の20種類の天然に存在する標準アミノ酸の1種の翻訳後修飾以外の方法で非天然免疫原を作製する請求項72に記載の方法。 請求項78 対象がヒト、サル、マウス、ラット、ブタ、ウシ、ニワトリ、小型鳥類、大型鳥類、爬虫類、及び両生類から構成される群から選択される請求項72に記載の方法。 請求項79 標的部分がポリペプチドを含む請求項72に記載の方法。 請求項80 標的部分がポリペプチド及び/又は糖質を含む請求項72に記載の方法。 請求項81 標的部分が対象の自己部分である請求項72に記載の方法。 請求項82 標的部分が疾患関連部分である請求項72に記載の方法。 請求項83 標的部分が自己免疫疾患に関連する自己抗原、腫瘍関連抗原、アルツハイマー病関連抗原、アミロイドβ40、アミロイドβ42、乳癌関連抗原、卵巣癌関連抗原、前立腺癌関連抗原、MAGE、BAGE、RAGE、NY−ESO、家系特異的腫瘍関連抗原、メラノサイト−メラノーマ家系抗原、MART−1/Melan−A、チロシナーゼもしくはチロシナーゼ関連蛋白質、チロシナーゼ関連蛋白質2、PSMA、PSA、突然変異ras、再構成bcr/ab1、Her2/neu、突然変異もしくは野生型p53、チトクロームP4501B1、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ−Vの異常発現イントロン配列、CA19−9、p53、OCAA、HOXB7、Ca125、PSA、PSMA、STEAP、PCTA−1、Ca15−3、EGF、EGFR、HER−1、CXCR4、G蛋白質共役型受容体(GCPR)、又はCA27−29の1種以上である請求項82に記載の方法。 請求項84 標的部分が対象の自己部分以外のものである請求項72に記載の方法。 請求項85 標的部分が細菌、ウイルス、真菌、マイコプラズマ、原生動物、蠕虫、又はプリオンに由来する請求項84に記載の方法。 請求項86 標的部分が細菌抗原、ウイルス抗原、真菌抗原、マイコプラズマ抗原、原生動物抗原、蠕虫抗原、プリオン抗原、HIV抗原、HIVgp120、HIVgp41、HIVgag、HIVpol、HIVenv、HIVtat、HIVnef、HIVrev、カリシウイルスカブシド抗原、B型肝炎コア抗原、B型肝炎表面抗原、デルタ肝炎原因物質、単純ヘルペスウイルス糖蛋白質、水痘帯状疱疹ウイルス糖蛋白質、インフルエンザウイルスヘマグルチニン、インフルエンザウイルスノイラミニダーゼ、インフルエンザウイルス核蛋白質、HPVカブシド蛋白質、バラインフルエンザウイルスヘマグルチニン/ノイラミニダーゼ、ポリオウイルスカブシドポリペプチド、HepA抗原、ワクシニアウイルスポリペプチド、狂犬病ウイルス糖蛋白質G、B.burgdorferiOspA、b型インフルエンザ桿菌外膜蛋白質、Mycobacteriumlipoarabinomannan、マイコバクテリウムmAPG、化膿連鎖球菌M蛋白質、肺炎連鎖球菌莢膜多糖体、ペスト菌F1、ペスト菌V抗原、熱帯熱マラリア原虫スポロゾイト周囲蛋白質(PfCSP)、熱帯熱マラリア原虫スポロゾイト表面蛋白質2(PfSSP2)、肝細胞期抗原1の熱帯熱マラリア原虫カルボキシル末端(PfLSA1c−term)、熱帯熱マラリア原虫輸送蛋白質1(PfExp−1)、Pfs48/45、Pfs28、Pfs25、又はPfs230の1種以上である請求項85に記載の方法。 請求項87 標的部分が細菌、ウイルス、真菌、マイコプラズマ、原生動物、蠕虫、プリオン、アクチノミセス属(Actinomyces)、バシラス属(Bacillus)、バクテロイデス属(Bacteroides)、ボルデテラ属(Bordetella)、バルトネラ属(Bartonella)、ボレリア属(Borrelia)、ブルセラ属(Brucella)、カンピロバクター属(Campylobacter)、キャプノサイトファーガ属(Capnocytophaga)、クラミジア属(Chlamydia)、クロストリジウム属(Clostridium)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、コクシエラ属(Coxiella)、デルマトフィルス属(Dermatophilus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、エーリキア属(Ehrlichia)、エシェリキア属(Escherichia)、フランシセラ属(Francisella)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、ヘモバルトネラ属(Haemobartonella)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、ヘリコバクター属(Helicobacter)、クレブシエラ属(Klebsiella)、L型菌、レプトスピラ属(Leptospira)、リステリア属(Listeria)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)、マイコプラズマ属(Mycoplasma)、ナイセリア属(Neisseria)、ネオリケッチア属(Neorickettsia)、ノカルジア属(Nocardia)、パスツレラ属(Pasteurella)、ペプトコッカス属(Peptococcus)、ペプトストレプトコッカス属(Peptostreptococcus)、肺炎球菌(Pneumococcus)、プロテウス属(Proteus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、リケッチア属(Rickettsia)、ロシャリメア属(Rochalimaea)、サルモネラ属(Salmonella)、シゲラ属(Shigella)、ブドウ球菌属(Staphylococcus)、連鎖球菌属(Streptococcus)、トレポネーマ属(Treponema)、エルシニア属(Yersinia)、アデノウイルス、アルファウイルス、カリシウイルス、コロナウイルス、CMV、ジステンパーウイルス、エボラウイルス、エンテロウイルス、EBV、フラビウイルス、C型肝炎ウイルス、ヘパドナウイルス、B型肝炎ウイルス、デルタ肝炎原因物質、E型もしくはF型肝炎ウイルス、GBV−C、ヘルペスウイルス、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、免疫不全ウイルス、HIV、伝染性腹膜炎ウイルス、インフルエンザウイルス、A型インフルエンザウイルス、白血病ウイルスマールブルグウイルス、オルトミクソウイルス、パピローマウイルス、HPV、パラインフルエンザウイルス、パラミクソウイルス、RSV、パルボウイルス、ペスチウイルス、ピコルナウイルス、ポリオウイルス、ポックスウイルス、ワクシニアウイルス、狂犬病ウイルス、レオウイルス、レトロウイルス、ロタウイルス、アブシジア属(Absidia)、アクレモニウム属(Acremonium)、アルタナリア属(Alternaria)、アスペルギルス属(Aspergillus)、バシジオボラス属(Basidiobolus)、ビポラリス属(Bipolaris)、ブラストミセス属(Blastomyces)、カンジダ属(Candida)、コクシジオイデス属(Coccidioides)、コニディオボラス属(Conidiobolus)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、カーブラリア属(Curvalaria)、エピデルモフィトン属(Epidermophyton)、エクソフィアラ属(Exophiala)、ゲオトリクム属(Geotrichum)、ヒストプラズマ属(Histoplasma)、マズレラ属(Madurella)、マラセチア属(Malassezia)、ミクロスポラム属(Microsporum)、モニリエラ属(Moniliella)、モルチエレラ属(Mortierella)、ムコール属(Mucor)、ペシロミセス属(Paecilomyces)、ペニシリウム属(Penicillium)、フィアレモニウム属(Phialemonium)、フィアロフォラ属(Phialophora)、プロトテカ属(Prototheca)、シュードアレシェリア属(Pseudallescheria)、シュードミクロドキウム属(Pseudomicrodochium)、ピシウム属(Pythium)、リノスポリジウム属(Rhinosporidium)、リゾプス属(Rhizopus)、スコレコバシディウム属(Scolecobasidium)、スポロトリクス属(Sporothrix)、ステムフィリウム属(Stemphylium)、トリコフィトン属(Trichophyton)、トリコスポロン属(Trichosporon)、キシロハイファ属(Xylohypha)、バベシア属(Babesia)、バランチジウム属(Balantidium)、ベスノイチア属(Besnoitia)、クリプトスポリジウム属(Cryptosporidium)、エイメリア属(Eimeria)、エンセファリトゾーン属(Encephalitozoon)、エントアメーバ属(Entamoeba)、ジアルジア属(Giardia)、ハモンディア属(Hammondia)、ヘパトゾーン属(Hepatozoon)、イソスポラ属(Isospora)、リーシュマニア属(Leishmania)、ミクロスポリジア属(Microsporidia)、ネオスポラ属(Neospora)、ノゼマ属(Nosema)、ペンタトリコモナス属(Pentatrichomonas)、プラスモジウム属(Plasmodium)、熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)、ニューモシスチス属(Pneumocystis)、サルコシスチス属(Sarcocystis)、住血吸虫属(Schistosoma)、タイレリア属(Theileria)、トキソプラズマ属(Toxoplasma)、トリパノソーマ属(Trypanosoma)、アカントケイロネマ属(Acanthocheilonema)、アエルロストロンギルス属(Aelurostrongylus)、アンシロストーマ属(Ancylostoma)、アンギオストロンギルス属(Angiostrongylus)、アスカリス属(Ascaris)、ブルギア属(Brugia)、ブノストムーム属(Bunostomum)、キャピラリア属(Capillaria)、チャベルチア属(Chabertia)、クーペリア属(Cooperia)、クレノソーマ属(Crenosoma)、ジクチオカウルス属(Dictyocaulus)、ジオクトフィーマ属(Dioctophyme)、ジペタロネーマ属(Dipetalonema)、裂頭条虫属(Diphyllobothrium)、ジピリジウム属(Diplydium)、ディロフィラリア属(Dirofilaria)、ドラクンクルス属(Dracunculus)、エンテロビウス属(Enterobius)、フィラロイデス属(Filaroides)、ヘモンクス属(Haemonchus)、ラゴキラスカリス属(Lagochilascaris)、ロア糸状虫属ポリペプチド、マンソネラ属(Mansonella)、ムエレリウス属(Muellerius)、ナノフィエツス属(Nanophyetus)、ネカトール属(Necator)、ネマトジルス属(Nematodirus)、エソファゴストム属(Oesophagostomum)、オンコセルカ属(Onchocerca)、オピストルキス属(Opisthorchis)、オステルタギア属(Ostertagia)、パラフィラリア属(Parafilaria)、パラゴニムス属(Paragonimus)、パラスカリス属(Parascaris)、フィサロプテラ属(Physaloptera)、プロトストロンギルス属(Protostrongylus)、エノコログサ属(Setaria)、スピロセルカ属(Spirocerca)、スピロメトラ属(Spirometra)、ステファノフィラリア属(Stephanofilaria)、ストロンギロイデス属(Strongyloides)、ストロンギルス属(Strongylus)、テラジア属(Thelazia)、トキサスカリス属(Toxascaris)、トキソカラ属(Toxocara)、トリキネラ属(Trichinella)、トリコストロンギルス属(Trichostrongylus)、トリチュリス属(Trichuris)、ウンシナリア属(Uncinaria)、又はウケレリア属(Wuchereria)の1種以上に由来する請求項85に記載の方法。 請求項88 標的部分が第1のアミノ酸配列を含み、非天然免疫原が第2のアミノ酸配列を含み、前記第2の配列は第1の配列の1個以上の天然アミノ酸が第2の配列では1個以上の非天然アミノ酸で置換されているという点を除き、第1のアミノ酸配列と同一である請求項72に記載の方法。 請求項89 標的部分が第1のアミノ酸配列を含み、非天然免疫原が第2のアミノ酸配列を含み、前記第2の配列は第2のアミノ酸配列が更に1個以上の付加的な非天然アミノ酸を含むという点を除き、第1のアミノ酸配列と同一である請求項72に記載の方法。 請求項90 1種以上の交差反応性抗体が非天然免疫原上の対応するエピトープに対して同一の配列を含む標的部分上のエピトープに特異的である請求項72に記載の方法。 請求項91 1種以上の交差反応性抗体が非天然免疫原上の対応するエピトープに対して異なる配列を含む標的部分上のエピトープに特異的である請求項72に記載の方法。 請求項92 非天然免疫原上の対応するエピトープ上の異なる配列が1個以上の非天然アミノ酸を含む請求項91に記載の方法。 請求項93 1個以上の非天然アミノ酸が抗体に接触可能である請求項72に記載の方法。 請求項94 非天然免疫原が標的部分と実質的に同様の構造を含む請求項72に記載の方法。 請求項95 非天然免疫原が標的部分と実質的に同様の三次及び/又は四次構造を含む請求項94に記載の方法。 請求項96 非天然アミノ酸が20種類の標準天然アミノ酸の1種以外のものであり、非天然アミノ酸が下式:(式中、Rは20種類の標準天然アミノ酸のいずれかで使用される側鎖以外の任意置換基であり;R1は20種類の標準天然アミノ酸の1種で使用される任意置換基であり;R2はR2−R1が一緒になって20種類の標準天然アミノ酸のいずれかの側鎖以外のものとなるような任意置換基であり;ZはOH、NH2、SH、NH−R’又はS−R’であり;R’はH以外の任意置換基であり;X及びYは各々S又はOである)の構造を含む請求項72に記載の方法。 請求項97 非天然アミノ酸がp−ニトロフェニルアラニン、o−ニトロフェニルアラニン、m−ニトロフェニルアラニン、p−ボロニルPhe、o−ボロニルPhe、m−ボロニルPhe、p−アミノPhe、o−アミノPhe、m−アミノPhe、p−アシルPhe、o−アシルPhe、m−アシルPhe、p−OMePhe、o−OMePhe、m−OMePhe、p−スルホPhe、o−スルホPhe、m−スルホPhe、5−ニトロHis、3−ニトロTyr、2−ニトロTyr、ニトロ置換Leu、ニトロ置換His、ニトロ置換Ile、ニトロ置換Trp、2−ニトロTrp、4−ニトロTrp、5−ニトロTrp、6−ニトロTrp、7−ニトロTrp、3−アミノチロシン、2−アミノチロシン、O−スルホチロシン、2−スルホオキシフェニルアラニン、3−スルホオキシオキシフェニルアラニン又はp−カルボキシフェニルアラニン、o−カルボキシフェニルアラニン、及びm−カルボキシフェニルアラニンから構成される群から選択される請求項72に記載の方法。 請求項98 標的部分がTNFαである請求項72に記載の方法。 請求項99 対象がマウスであり、標的部分がmTNFαであり、非天然免疫原が非天然mTNFαである請求項98に記載の方法。 請求項100 非天然mTNFαがpNO2Phe86−mTNFαを含む請求項99に記載の方法。 請求項101 非天然mTNFαがpNO2Phe11−mTNFα、pNO2Phe19−mTNFα、pNO2Phe21−mTNFα、pNO2Phe42−mTNFα、pNO2Phe49−mTNFα、pNO2Phe104−mTNFα、及びpNO2Phe113−mTNFαから構成される群から選択される請求項99に記載の方法。 請求項102 対象がヒトであり、標的部分がhTNFαであり、免疫原が非天然hTNFαである請求項98に記載の方法。 請求項103 非天然hTNFαがpNO2Phe11−hTNFα、pNO2Phe19−hTNFα、pNO2Phe21−hTNFα、pNO2Phe42−hTNFα、pNO2Phe49−hTNFα、pNO2Phe87−hTNFα、pNO2Phe105−hTNFα、及びpNO2Phe114−hTNFαから構成される群から選択される請求項102に記載の方法。 請求項104 請求項72に記載の方法により製造されたワクチン。 請求項105 pNO2Phe86−TNFαを含む非天然TNFαを細胞で生産する方法であって、アミノ酸86位に少なくとも1個のセレクターコドンを含み、TNFαをコードする核酸を含む細胞を適切な培地で増殖させる段階と;pNO2Pheを準備する段階を含み;細胞が更に、セレクターコドンを認識する直交tRNA(O−tRNA)と;O−tRNAをpNO2Pheで優先的にアミノアシル化し、セレクターコドンに応答してpNO2Pheをアミノ酸86位に組込むことにより、非天然TNFαを生成する直交アミノアシルtRNAシンテターゼ(O−RS)を含む前記方法。 請求項106 pNO2Phe86−mTNFαを含む非天然TNFα。 請求項107 pNO2Phe11−mTNFα、pNO2Phe19−mTNFα、pNO2Phe21−mTNFα、pNO2Phe42−mTNFα、pNO2Phe49−mTNFα、pNO2Phe104−mTNFα、及びpNO2Phe113−mTNFαから構成される群から選択されるTNFαを含む非天然TNFα。 請求項108 pNO2Phe11−hTNFα、pNO2Phe19−hTNFα、pNO2Phe21−hTNFα、pNO2Phe42−hTNFα、pNO2Phe49−hTNFα、pNO2Phe87−hTNFα、pNO2Phe105−hTNFα、及びpNO2Phe114−hTNFαから構成される群から選択されるTNFαを含む非天然TNFα。 請求項109 請求項106、107又は108に記載の非天然TNFαを含有する組成物。 請求項110 請求項106、107又は108に記載の非天然TNFαに対する抗体。 請求項111 請求項106、107又は108に記載の非天然TNFαに対する抗体であって、非天然アミノ酸を含まないTNFαに対して交差反応性である前記抗体。 請求項112 請求項110又は111に記載の抗体を含有する組成物。 請求項113 pNO2Phe43mRBP4を含む非天然RBP4。 請求項114 請求項113に記載の非天然RBP4を含有する組成物。 請求項115 請求項113に記載の非天然RBP4に対する抗体であって、非天然アミノ酸を含まないRBP4に対して交差反応性である前記抗体。 請求項116 請求項115に記載の抗体を含有する組成物。 請求項117 免疫原の合成中に1個以上の非天然アミノ酸を非天然免疫原に組込む請求項1、34、35又は72に記載の方法。 請求項118 翻訳後修飾又は合成後化学修飾以外の方法で1個以上の非天然アミノ酸を非天然免疫原に組込む請求項1、34、35又は72に記載の方法。 請求項119 直交翻訳、invitro翻訳、ネイティブケミカルライゲーション、発現蛋白質ライゲーション、又は固相合成法の1種以上により1個以上の非天然アミノ酸を非天然免疫原に組込む請求項1、34、35又は72に記載の方法。 請求項120 非天然免疫原がグリコシル化、ニトロアリール修飾、硝酸化、アルキル化、アセチル化、酸化、硫酸化、又はリン酸化された20種類の天然に存在する標準アミノ酸の1種以上を含む請求項1、34、35又は72に記載の方法。 請求項121 翻訳後修飾以外の方法又は化学修飾以外の方法により、1個以上のアミノ酸をグリコシル化、ニトロアリール修飾、硝酸化、アルキル化、アセチル化、酸化、硫酸化、又はリン酸化する請求項1、34、35又は72に記載の方法。
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